古村藍さんの感想・考察・分析について

また結構なボリュームの新たな記事が note に出ていました。 『いちご100%』感想 半年出遅れた…。

圧倒的東城派さんなので東城派リンク集に加 えると共に、それ以外の論点については本ページで順次触れて行きたいと思います。

西野への批判

西野派にはほとんど見られない、真っ当な西野批判がストレートに出てきて いる所は読み応えがあります。

西野の変容

そして西野。
西野はどんどん魅力的に、可愛くなっている。それは事実だ。
しかし私は怒っています。
何故なら、その「可愛さ」は「東城の可愛さ」だからだ。
西野は東城に近づいていっている。この巻で西野がやっているのは東城が経験してきたイベントの再上映だ。西野本来の魅力ではない。
西野の表情筋が東城のそれに寄ってきてしまっている。それは西野つかさというキャラクターに対して最も侮辱的ではないか?
作者は7巻巻末で「西野というキャラクターの性格が掴めない」というようなことを吐露していた。その結果がこれなのか?西野が西野でなくなって、東城のクローンになって真中と結ばれるのがこの漫画の結末か?そんなことは許されない。
西野は東城とは違う。だからこそ西野には西野の魅力がある筈だ。先生にはそれを思い出して欲しい。

前回「西野が東城に近づいている」という話をしたが、今回で再び在るべき形に戻った……と見せかけて、実際まだその現象は起きている。というのはベーシックな立ち振舞いのことではなく、真中を前にした時の表情や態度がおおよそ同じになってきてしまっているということ。例えば2巻で真中がコーヒーか何かをズボンにこぼしたシーンの西野の態度。今の西野は絶対にあんなふうな反応はできないだろう。まるで東城のように顔を赤らめて、すっ転びながらアタフタするでしょう。恋が彼女を盲目にしたのか。

私に言わせれば、再登場以降の西野に はもはや実質的な「魅力」と言えるものは皆無ですが、「かつての西野とは もはや別物だ」ということへの強い批判は、よそではほとんど見かけることがなく、 価値のある論考だと思います。大抵は、そのことに触れられる場合は西野派によ るもので、そのように西野が変容した 「からなおさら」(自分にとっての)西野は魅力的になった、という趣旨の ものですからね。

それから、「西野の東城化」問題は、 実は16巻の真中との再交際開始以降が極めて深刻だ、ということにも触れて おきます。

終盤の西野は、「消極的で自分からは何もしない、頼り、依存する意気地なし」 という東城と同種の欠点ばかり見せる一方、東城に優っていた「他人に依存し ない、独立指向の強さ・ひたむきさ」という長所を自ら捨ててしまっており、 その結果、西野は東城よりはっきり劣る「劣化版東城 」と でも言うべきキャラに成り下がってしまっていますね。

なお、公平を 期すため東城についても触れておくと、東城もやはり初期とは結構違う性格 になってきている、という面も否めない所もあります。

高1の夏、真中の部屋でエロ本を見つけたときも、「弟の部屋で見かけたもっ とすごい洋物を見て見ぬ振りをしている」なんてことをケロッと口にできる、結 構さばけたキャラですね。やっぱり高2〜高3にかけて、引っ込み思案さが変な 風に進みすぎてしまった、という面があって残念だなあ、と思います(高3の東 城だと、同じ場面でも動揺して真っ赤になってしまい、うまく言葉が出てこない… という感じになってしまいそう)。

その点で一番恋愛然としているのはやはり西野なのだろう。

これはあまり同意できません。西野が真中を好き な理由なぞ、特に再登場後は超スッカスカなので、 恋愛としてはまったく成立していな支離滅裂な描写ですから (それを踏まえて「然」を付けて「本当の『恋愛』とは言えない」という意を込 めてあるのかもしれませんが)。

終盤の西野

対照に西野は真中と結ばれた途端に描写がどんどんチープになる。最後に至るまでずっと。恋愛という盤上での勝者は西野だったが、『いちご100%』という物語のMVP―運命とともに自分というキャラクターを最も輝かす事ができたのは、東城綾ではなかろうか。最後まで読んで、私は西野のその後のあんなチープな恋愛模様を見せられるくらいならこれでよかったとさえ思った。

終盤の西野(と真中)の関係 の余りの貧しさを問題視する論考はこれまで余りなかったので、2023年になっ てきちんとこういう声が挙がってくることは奮い立ちますね。

さて、東城に関してはそれでいいとしても文句は山ほどある。まず、真中が西野に心が向かう説得力が終始欠落している。特に「ずっとずっと好きです」の直後に西野イベントを配置して「もう西野に気持ちが向いちゃってるよぉ~w」は正直信じられん。男性脳で考えれば絶対に有り得ないこと。この辺はよく言われる『男は「名前を付けて保存」、女は「上書き保存」』の女性版価値観をそのまま男性キャラクターにマージしてしまった結果起きている気がする。西野つかさというキャラクターが魅力的かどうか云々の前に、感情誘導も描写もあまりにも稚拙過ぎる。序盤の方がよほど巧くやれていた。何より一度「サヨナラ」したのを撤回に至った理由がまるで描かれていない。気持ちが変わったから~で済むようなターンじゃないと思うんですけど。

主要な論点はこれまた心の底から同感です(その1その2 )。(ただ、細部はちょっと議論に混乱が見られる気がします。真 中が西野に心が向かう説得力が終始欠落という話で始まったはずなのですが、 後半では何より一度「サヨナラ」したのを撤回に至った理由がまる で描かれていないと、西野が真中を好きな理由が皆無という話に切り替わっ てしまっています。また、個人的には、別 ページで書いたように、こう思っています。

私はどちらかというと「事情はどうあれ、真中がそう言うんなら、もう東城じゃ なくて西野のことが好きだ、ってのはほんとなんじゃない?」ってのはあっさ り認めちゃってもいいと思ってます。真中西野好きに なる材料としては、「顔」だの「性格」だのといった即物的なものなら揃って いますし、これまでの「西野イベント」の繰り返しが実を結んだんだ、とすれ ば、ことさらそれを否定する材料があるわけじゃないですからね。

東城論

東城の輝き

でも、総合的に東城の道に文句はないんです私。かなり丁寧にやってくれたと思う。文句があるとしたら西野や他のヒロイン周りの雑さが主。それについてもたっぷり言いたいんだけど、まず東城について話したい。
東城の失恋を「公式」が描いたということ。これが西野と入れ替わったらどうなっていたか。東城ほど映える物語になっただろうか?否。18~19巻を読んではっきりとわかった。東城はこうである方が映えるキャラクターだったのだ。これが東城エンドが公式で、二次創作でしかこういうのが見れなかった時の味気なさを考えれば、公式がこれだけ丁寧に東城の心の機敏を描いてくれたのはむしろファンサービスとまでいえるのではないか。

「こうである『方が』映える」とまでは思いませんが、 終盤の東城の描写がある 意味大変優遇されたものだった、という点は完全に同意です。別ページで書 いたことを引用します( その1その2)。

最後、東城に「他人から与えられたもの」はほとんど残っていません。残さ れたのは「3年間の思い出」と「小説家としての足掛かり」だけで、それ以外す べてを「こんなことで想いが 満たされたわけじゃない」という余りにも惨めでちっぽけな経験 と引き換えに奪い去られてしまっているわけです。そのほんの僅 か残された「映像研究部の3年間の思い出」(それは要するに「真中との思い出」 にほかならない)を卒業式では「大切な宝物」と最大限に肯定できて、全校生徒 の前で動じずに語れるまでに昇華した(たった2週間で!)東城は、本当に気高 く、強い。そしてほぼ全てを、「小説を書く原動力」だった真中をも奪われなが ら、自らの内面だけを支えに自分自身の再構築を成し遂げた4年後の 東城の強さ・美しさには凄味すら備わっています。

(終盤の展開は、)「東城の物語としてはとてもうまくできている」という ことについては、私もまったく異論はありません。そこはちょっと認識の相違 があるかもしれないので補足しておきますが、そのこと自身については何ら文 句はないのですよ。

(中略)

最終話の様子を見るに、もうすっかり一人前の小説家として成長・成熟してい て、当時の真中が自分に寄せていた気持ちというものは、恋愛的なものも含めて ほぼ見当がついていたんじゃないかな。そして、その推測が当たっているかどう かも、もう本人としてはさして重要なことではなく、その頃のことを全部「いい 思い出」として消化して、「かつての自分にとってかけがえのない経験であり、 今の自分があるのもそれが糧となった部分が非常に大きい」と純粋に感謝できる 境地に達してるように見えます。まさしくここの部分こそが、「うまく昇華でき ている」ということで(かなり)埋め合わせられる部分ですね。そのことについ て「東城の描写が足りなかった」と嘆く気持ちは、私は持ってないです。

と同時に見逃していけないのは、 次のことです。

「真中がいないと小説が書けない」はずだった東城が、若くして著名な文学賞 も受賞できるほどの小説家になれた、というのは、一面では「どん底から立ち直っ た偉大さ」としてプラスに見られる部分ではあるけれど、別の面では「流れ をぶった切って都合のいい結末だけ放り込んでお茶を濁した」だけでしかな い部分でもあります。

(略)

東城の「小説家としての成功」「自分の殻を破る成長」というのは、一面ではも ちろん高いレベルで昇華された、「花を持たせてもらった」部分であ ることは全く異論はないですが、他方では「恋の成就 が叶わなかったことの代償に、せめてもの埋め合わせとして与えられた『あてがい扶持』に過ぎない 」ということもまた残酷な事実です。「東城の物語としてはとてもう まくできている」という事情をもって、その構図から漏れ落ちている後ろ暗さを 揉み消すことなどできません。 (略)

真中との関係を断ち切らざるを得なかった東城は、そういった「夢」未満で しかないものを、打ち砕かれた想いの残骸の中から拾い上げ、新たな自分の支柱 として再建しなければならなかったわけですよ。東城が小説家になったというこ とは、断じて「目指していた夢が叶った」などという単純でおめでたい 話ではない

私は、どれほど東城が気高く描かれていようと、その尊さよりも、東城の望 みが叶い、想いが報われた姿の方が遥かに遥かに見たかったです。たとえそれが げっぷが出そうなくらい安直な予定調和で、東城や真中の成長が万里の彼方に置 き去りにされ、物語的には何ひとつ見るべき点のない凡作の極みに終わっていよ うが、私にとっての価値は比べ物になりません。どれほど切実にそれを願ってい たことか。

東城の課題

ただ細かい所でいえば、「同じ大学行くのやめるかも」の切り出しはかなり違和感があったな。あれは『聲の形』と同じように真中の方から説得すべきだったと思う。そっちの方がずっと自然。あれだけ依存していた東城の心の切り返しとしてはあまりにぎこちなかった。

この辺りはお粗末さが目につきますね。 ちょっと改変するだけで ぐっとまともにできたはずなのに…と思うのはやっぱり後付けの結果論で、 連載渦中ではなかなか難しかったのでしょうか…(でも、仮にそうだったとして も、担当編集はそこにちゃんと気づいてアドバイスできないといけないと思うな。 中路氏はやっぱりその資質に問題があった)。

そもそもぶっちゃけ彼女も結ばれたいとはもはや思っていない気がする。
東城は多分、「恋愛」が何かよくわかってないんじゃないだろうか。東城が真中に対して向ける「好き」は、愛し合いたいとか結婚したいとかいうそれではなく、自分に夢を見せてくれた、自分の夢を認めてくれた、共に頑張ろうと言ってくれた誰か。つまり感謝の気持ちなのだ。錯誤している

こういう感じの考察は他でもときどき見かけます(例えば、 リンク先の2つ目)が、個人的に は余り賛同できません。例えば高1の合宿で真中の前で「あたし 嫌な人間だね/ それでも真中くんと一緒にいたい…!」と泣き崩れてしまい、泉坂に帰ってから 「(もう真中くんのことを意識するのはやめよう 真中くんのことを意識するの はやめよう)」と心の中で自分に繰り返し言い聞かせるも、決心が揺らいで「彼 女がいる人好きになっちゃやっぱりダメなのかな…」と真紀に弱音を漏らしてし まう、というのは明らかに真中を欲していて、主要な感情は「感謝」ではありま せん。唯に「真中と西野が別れた」と聞いたときの動揺ぶりも、「(え、それだっ たら私にもチャンスがあるんじゃ…!?)」と反射的に思ってしまったからこそ で。もちろんこういった心情はそれまで恋愛に奥手だった結果としてだいぶ幼い もので、確かに「恋愛」が何かよくわかってないんじゃないだろ うかという評を免れない牧歌的拙さもありますが、恋愛感情であることもま た間違いないと思います。

もう読み返せない

この終わり方の一番の罪は、『いちご100%』の読み返しが最早極めて困難になったこと。どんな気持ちで東城を見ればいいんですか?ねえ。もう、読み返せないよ……。

心の底から同感。明るい結末を信じて疑わなかった頃の、何の陰もない純東 城エピソードでさえ、「これらすべてが何ひとつ報われるなく潰えることになる のか…!」という虚無感・絶望感に駆られることが目に見えており、とてもでは ないが読み返す気力がわきません。

行き当たりばったり・マンネリ

はじめから解っていたが、だいぶ行き当たりばったりで描いてるなあこの漫画。ジャンプの作品っていつもそうですよね……!

まったくですね!(笑)ジャンプ連載作の中でもかなり上位に来ると思いま す。一度は

さつきの脱落は予想出来ていたとはいえ、まさかここまでハッキリ落とすとは思わなかったな……。教会の場面はかなりいいシーンだった。彼女のその日一日の心境を考えるとね。
と感心しながらも、結局
今更言うまでもないことだが、この漫画はずっと行き当たりばったりで話を展開している。さもなくば友達宣言を撤回なんてふざけた真似はしない。
これはもう序盤から言っているけど、北小路[ママ]さつきというキャラクターを「動かしやすい」という理由だけで適当に動かしすぎ。友達宣言撤回は目を疑った。仮面ライダーくらいだぞ、そこまでのメチャクチャやるの。その後特に悪びれる様子もなく「恋のアタックしちゃお~w」とか、真中もそれに動じてたり、なんかもうこの辺は本当にメチャクチャでした。茶番すぎてほぼ飛ばし読んだ。
と裏切られて怒り心頭、という心境も この上なくよくわかります。いわゆる「お前は俺か」という奴ですね(笑)。

パンツばかり何度も繰り返されることを 筆頭とするマンネリぶりの指摘も、非常に尤もです。

経験則的にはこの漫画のこの手の引きはほぼ釣りなので何とも言えない。……そうなんだよね。いちご100%、展開のパターンが見えてきている。この流れが来たら次はこれが来るだろうというのが容易に予測できるようになってきてしまった。そろそろ破壊して欲しい。

あといい加減「良い感じになる→妨害が入って中止」は禁止カードにして欲しい。冗談抜きで10巻までに20回くらいやってるぞこの流れ。他にないのか?

(週刊連載だとそれくらいしか思いつく余裕がないんですよ、河下先生の能力の 限界で…)

ヒロインの逐次投入についての

そして完全に空気と化したちなみさん。可哀想に……。ヒロインを増やすとこうなるんだってだから。いや、元々ヒロインですらなかった気もするが……。だとしたら尚更存在意義が分からない。外村妹はまだ真中の他に映画研究部でまともな意見を言えるキャラが欲しかったということで説明がつくけど。ちなみマジで荒らして帰っただけやん。
こずえというキャラクターの存在意義もよくわからなかったし。思いつきでキャラを登場させて思いつきでリタイアさせるという意味不明な悪手を何度も繰り返しており、週刊連載という形態や、もしかしたらあったかもしれないアンケートシステムのことを考慮しても尚支離滅裂な展開が目立った。特に中盤以降。
という指摘も大変ご尤も。実際、端本は「ヒロイン」枠には入らないと思います。 一点補足すると、個人的には「意味不明」とまでは思っていません。これは恐ら く単なる「アンケート対策のためのテコ入れ」なんでしょう。女子の新キャラ投 入は、2巻北大路、5巻唯、7巻美鈴、10巻端本、12巻向井と恒例行事の ごとく概ね等間隔で行われていたので、編集部で定期的に開かれる連載入れ替え 会議で、継続がヤバそうになると (安直に)新女子 キャラをカンフル剤的に導入する、ということを繰り返していたんだ と思います。(「それを考慮しても尚支離滅裂」という見解はまさしくその通り)

なお、向井については、本来は 東城を思い切って積極的に行動させると いう狙いもあったのだろうと推測していますが、結局それに沿った展開には 全然ならず、ひたすら焦点のボケたキャラで終わってしまっていますね。その理 由としては、別ページで書いたよう に

なぜそういった場面で、東城が止むに止まれずつい真中を獲得するための行 動に踏み切ってしまう…という話にしなかったのかは不思議です。河下先生のス トーリー構築能力の低さ、と単純に考えることもできますが、いくら何でもあそ こから東城が衝動的な行動に出ることを描くことがそんなに難しいとも思いにく い、筆に任せてごく簡単に描けてしまう気がします(話の畳み方はひょっとした らいつもの河下先生らしく破綻して首を捻るようなしょぼいものになってしまっ たとしても、堰を切ったように話を転がしていくこと自体は難なくできた はず)。ということは、「そういう展開にしてしまうと東城が有利になり すぎてしまう、場合によってはそこでもうほとんど連載が終了してしまうほど形 勢が傾いてしまうために、担当編集者が『そういう展開はまかりならん』と厳命 した」…ということすらありうるのではないか、と個人的には思っているのです が。

という可能性を考えています。

その他

天地は……東城を幸せにできるとは思えないが、言っていることはおおよそ正しい。「大切なものを捨てた」というのも外村の言うように真中との違いですね。真中は結局何も捨てられていない。より真摯に向き合っているのは確かに天地かも知れない。
しかし遥の言うように、東城のようなタイプは天地とは根本的に馬が合わないと思う。

この分析は東城を幸せにできるとは思えないという点も含 め、完全に同感です。

唯は女子校にいる癖にどこで大草と接点持ったんだっけ?

これは11巻を読み返すとわかります。p.104「唯も写真見せてもらったけど超 カッコイイね!!今度会わせてぇ〜」 p.157「外村!オマエ唯まで誘ったのか よ〜〜っ!!!」「しっ 知らねーよ!俺は大草・高木ファンを集めただけだか ら!!」「(そっか 唯の奴大草に興味持ってたもんな)」

ちなみに東城と比較して西野を推すような人類ってマジでいるのか?と読書中は思っていたが、どうやらいるらしい。いたからヒロインが変更されたまであるらしい。そうですか……。

心情的にはまったくの同感ですが、いるんですよこれが……。

あと地味に腹立つのが、西野と真中って17巻で結ばれたんですよね。私これ見た瞬間ちょっと期待しちゃったもん。19で結ばれたらもうどうしようもないよ?でもあと2巻残ってる。これはもしかしたらあるぞ!?って、期待させないでくださいよ。はじめから西野エンドになるって解ってたのに。もっと強く拒絶してよ……!(さつき)余計に落ち込んだ。

なるほど、予め全19巻と解っていて、「残りの分量感」を常時参照可能な状 態で読まれる方だとこんな体験になるんですね。リアルタイムで連載を追っかけ ていた私の場合だと、結ばれた時は「こりゃあと 2-3 話で終わりだな」とばか り思ったのですが、 一向に終わらず話が続く 「異常事態」にこんな風に困惑させられていました

このマンガの「事実上のク ライマックス」は学園祭後に真中が西野の家に押しかけて、夜を明かした回であ り、そこで終了するのが一番きれいな形だったんですよね。にもかかわらず その後10回以上も連載は続きます。

一度は西野で完全に決まったかに見えたのに、その直後からなぜか東城にス ポットが当たる話が続き、しかも 真中と西野のすれ違いが演出される。西野で終わるんならそんな描写はまっ たく不要で、とっくに終了すべきですから、ここまで来て急にまた、東城で終わ る気になったかのように見えてしまいます。しかしそれはそれでもう西野側に深 入りしすぎていて手遅れにしか見えないのも事実…というわけで、続行された理 由は、リアルタイムではさっぱりわからなかったんですが…

先生、Twitterやってるのか。どのツラ下げて……(ぉ

(笑)(笑)。東城派に対し余りにひどい仕打ちを犯した、 という「罪」をちゃんと自覚して、「償い」の必要性に目覚めて欲しいですね。

まあ、描かなくていいです。描いてどうこうなるものでもないし。

「続編」がいらない、ということはまっ たく同感です。ただ、私は本編の途中から分岐するパラレルストーリーの 「別分岐版」は描いて欲しいですね。超切実に。今からでも考えを改めて描いて 欲しい、と19年近くひたすらそう思い続けています。


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井汲 景太 <ikumikeita@jcom.home.ne.jp.NOSPAM.>(迷惑メールお断り)
最終更新日: 2024年04月13日