しばらく前に http://www.geocities.jp/yoimondai/1/essei.html というコーナーを見つけ、「これは面白い」と隙間時間にちょびっとずつ読み進めています。非常に鋭い着眼・解法が次々と繰り出されて、結構な難問も小学生に(!)理解可能な解答がこさえられているのには舌を巻きました。この方だったら、http://6504.teacup.com/aozoram/bbs/3816 で紹介されている「定理」のような問題でも、小学生向けの解答を鮮やかに編み出してしまえるかもしれません(私は高校生向けの解法しか作れないや…)。→そうか、これは1年くらい前の「高校への数学」に \(n=3,5,7\) の場合が載っていて、\(n\) が一般の奇数でも成立するとも書いてありますね。なるほど、トレミーの定理を使えばいいのですね…。→【2017, 6/1 追記】さらに、「大学への数学」の2006年12月号に \(n=3,5\) の場合に「切り貼り」だけで示す巧妙な証明が紹介されてますね…。円周角の定理とその周辺が使ってあるので小学生向けとまでは行きませんが、中学生なら十分理解できます。確かめてはいませんが、そこでの話の進み方からして、一般の奇数 \(n\) に対しても同じ手法で示せそうです。
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ブログ
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正方形になる展開図
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ε—δ 論法の逆襲!
\(\newcommand{\abs}[1]{\lvert #1 \rvert}\)
みなさんお馴染みの \(\varepsilon\)—\(\delta\) 論法。
\begin{equation}
\label{eq:epsilon-delta-1}
\text{どんなに小さな正の数$\varepsilon$に対しても、正の数$\delta$を適切に選べば、$0<\abs{x-a}<\delta$であるすべての$x$に対し$\abs{f(x)-b}<\varepsilon$がなりたつ}
\end{equation}
極限概念を精密化するためには必要不可欠な論法だ。「解りにくい論法」の代名詞的存在として槍玉に挙げられることも多いが、一度理解できてしまえば別にこれと言って難しくはない、ということもよくご存知だろう。度々接するうちにすっかりその用法に慣れ、自分でも数々の成果を導くくらいに習熟した、という方も多いはずだ。だが人よ、忘るることなかれ。飼い慣らしたと思い込んでいた猛獣は、実は密かに爪を研ぎ、牙を剥く機会を眈々と狙っている(かもしれない)のだ!
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1解だけですべての解が表せる方程式
\(\newcommand{\field}[1]{\mathbb{#1}} \newcommand{\Q}{\field{Q}}\)
以前取り上げた2つの問題3次方程式 \(x^{3}-3x+1=0\) の3解を適当な順番で並べ、それを \(\alpha\), \(\beta\), \(\gamma\) とおく。すると、\(\alpha\), \(\beta\), \(\gamma\) が次の関係を持つようにできることを証明せよ。
\[ \beta=\alpha^{2}-2, \gamma=\beta^{2}-2, \alpha=\gamma^{2}-2 \]及び
3次方程式 \(x^{3}+3x^{2}-1=0\) の一つの解を \(\alpha\) とする。
(1) \((2\alpha^{2}+5\alpha-1)^{2}\) を \(a\alpha^{2}+b\alpha+c\) の形で表せ。ただし \(a\), \(b\), \(c\) は有理数とする。
(2) 上の3次方程式の \(\alpha\) 以外の二つの解を (1) と同じ形の式で表せ。
(東大入試 1990 文系)は、共に次のことを背景としていた。「整数係数の \(3\) 次方程式の解の差積が有理数になるとき、1つの解 \(\alpha\) だけで他の2解を表すことができる」(ここで、「表すことができる」というのは詳しく言えば「有理数係数の多項式で表せる」という意味)
どちらも面白い問題だが、ちょっともったいないのは「実際に方程式の係数が与えられたときに、どうすればその『有理数係数の多項式』の具体形が導けるのか?」という一番面白い部分を、天下りで与えてもらったり、手取り足取りな手厚い誘導を付けてもらっている点だ。もちろん入試問題はある程度まとまった分量の受験生が時間内に解けるようにしないといけないので易しく作らなければいけないのはやむを得ないが、やはり「その \(\alpha^{2}-2\) だの \(2\alpha^{2}+5\alpha-1\) だのといった式の形はどうやって導いたのか?」という点は興味深い問題だ。
これについては、この blog で時々引き合いに出している方に以前伺ったとき、以下のようなうまい手があることを教えて頂いた(しばらく前の「大学への数学」の学力コンテストで出題され、その解説記事で出ていたものとまったく同じ考え方である)。
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方程式のガロア群の求め方&ガロア群が可解である方程式の解き方・番外編
\(\newcommand{\field}[1]{\mathbb{#1}}
\newcommand{\Q}{\field{Q}}\)
一連の話の締めくくりとして、落ち穂拾いの話題を2点書いておく。1つは、これまで書いてきた「Galois 群が可解な方程式の解の求め方」は、実は気づきにくい穴があって実際には不完全かもしれない、という話。もう1つは、一連の話がどういう経緯を経て作られたのか、という(他人にはまったく興味がなさそうな)覚え書きである。
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方程式のガロア群の求め方・補足
\(\newcommand{\kumiawase}[2]{_{#1}\text{C}_{#2}}\)
整数係数の方程式の Galois 群の求め方の記事で、\(V_{k}\) の間で値の重複がないように解の1次結合の整数係数を具体的に選ぶ手順について説明する。
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ガロア群が可解である方程式の解き方・その4
\(\newcommand{\Q}{\mathbb{Q}} \newcommand{\R}{\mathbb{R}} \DeclareMathOperator{\Gal}{Gal}\)
置換群としての Galois 群が可解な場合に、実際の解をべき根で求めていく解法について、これまでの説明の要点をおさらいしておくと、
\begin{gather}
\label{eq:51-1}
\text{Galois 群} = G_{0} \supset G_{1} \supset \dots \supset G_{r} =
\{e\} \\
G_{i} \rhd G_{i+1}, \quad \frac{\lvert G_{i} \rvert}{\rvert G_{i+1} \rvert}
\text{ は素数} \notag
\end{gather}
となる組成列を、そのメンバー \(G_{0}, \dots, G_{r}\) の要素がすべて既知な形で作っておき、隣り合う各々の群について、低位の群で対称な \(\psi(\alpha_{1}, \dots, \alpha_{n})\) の値を求めることを、\(\theta(\alpha_{1}, \dots, \alpha_{n})\) を構成して上位の群で対称となる多項式の値を求めることに帰着する、ということの繰り返しだった。Galois 理論の基本定理から、\eqref{eq:51-1}の部分群列に対応する中間体の拡大列が存在する。
\begin{gather}
\label{eq:51-2}
\Q = K_{0} \subset K_{1} \subset \dots \subset K_{r} = \Q(\alpha_{1},
\dots, \alpha_{n}) \\
\text{$K_{i+1}$ は $K_{i}$ の素数次巡回拡大} \notag
\end{gather}
「その3」で書いた問題(のひとつ)は、\(\theta\) を構成する際にいろいろな素数 \(p\) に対する \(1\) の原始 \(p\) 乗根 \(\zeta\) が必要になるため、\(2\) 以外の素数が \(p\) として出現する場合は\eqref{eq:51-2}の体にさらに \(\zeta\) を添加した拡大体の列が出現することになって、対応する Galois 群も\eqref{eq:51-1}の置換群とは異なるものになってしまうのではないか、ということだった。
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