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ガロア理論 数学

数式処理ソフトによるガロア群の算出と、べき根を用いた厳密解の表現 その3

「退職後は素人数学者」さんの「可解な代数方程式のガロア理論に基づいた解法」について、いくつか補足を書きます。

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ガロア理論 数学

数式処理ソフトによるガロア群の算出と、べき根を用いた厳密解の表現 その2

可解な代数方程式のガロア理論に基づいた解法」をご寄稿くださった「退職後は素人数学者」さんから、補足のコメントを頂きました。実際には数日前にコメントとして投稿されたものの、弾かれてしまってコメントとして反映されなかった、ということで、電子メールで直接送っていただきました。

私も近日中に補足記事を書くつもりですが、ひとまず先に公開します。コメントが弾かれてしまった理由は、残念ながら不明です。【追記】と書きましたが、ちゃんと見直したらスパムフィルターに引っかかっていただけでした。「退職後は素人数学者」さん、申し訳ありませんでした。

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数学

Mathpower2018 数学の決闘 ボツ問題案

\(\newcommand{\kumiawase}[2]{{}_{#1}\text{C}_{#2}}\)
今年も Mathpower の数学の決闘の問題を1問思いついて、提出してみたのですが、今年は選題する側に回ってしまったので、私の問題は没ということになってしまいました(笑)。無念を晴らすために、ここで公開することにします。

問題

多項式 \(f(p)\) を
\begin{equation}
\label{eq:mathpower2018-1}
f(p) = \sum_{k=0}^{2018} \kumiawase{2018+k}{k} p^{2019}(1-p)^{k}
\end{equation}
によって定めます。ただし、\(\kumiawase{n}{r}\) は二項係数です。

\(\dfrac{f'(2)}{2^{2018}\kumiawase{4037}{2018}}\) を求めてください。

この図は何のためについているのか…ということがヒントです。

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ガロア理論 数学

方程式のガロア群の求め方・さらなる補足

\(\newcommand{\zyunretu}[2]{{}_{#1}\text{P}_{#2}}\)
前回の記事で触れた通り、「退職後は素人数学者」さんから頂いた文書「可解な代数方程式のガロア理論に基づいた解法」の中では、「\(V_{k}\) の値が互いに異なるような係数の値の具体値の求め方」に関して、以前私が書いたものより遥かに優れたやり方が述べられています。間抜けなことに、そこで必要となる考え方は上の私の記事の中に事実上すべて述べられていたものでした。

本記事では、自戒を込めて、「退職後は素人数学者」さんによるアルゴリズムを解説します(と言っても、「可解な代数方程式のガロア理論に基づいた解法」の現物に当たって頂ければ、ほとんど説明の必要もないくらい明快な話ではありますが…)。

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ガロア理論 数学

数式処理ソフトによるガロア群の算出と、べき根を用いた厳密解の表現

別記事のコメント欄での「退職後は素人数学者」さんとのやりとりを通じて、Mathematica による詳細な計算結果を送って頂きました。置換群としてのガロア群のみならず、可解な方程式のべき根による実際の解までも、その詳細な過程と共に綴られている素晴らしい成果です。“自由に使って下さい”とのことでしたので、そのまま公開します。

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数学

【緩募】二項微分の名前の由来

何となく解析概論(高木貞治)を眺めていたら、§37. 不定積分の計算で、\(x^m(ax^n+b)^q\) という形の式を「二項微分」と呼んでいるのに気づきました。私には聞き慣れない名前なのですが、どういう由来でこういう名前になっているのでしょうか。

ちょろっと web 検索した限りでは、「二項微分」という用語は全然ヒットしませんでした。

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LaTeX 数学

TikZ の external library を dvipdfmx で使う

これまで blog 記事を書くときは、大体 pLaTeX で元の文書を書き、それを大体そのまま MathJaX を有効にした blog に転用してきた。問題なのは図だが、多くの場合は TikZ で図を描き、blog 用には結構面倒な手順で図を 1 個ずつ画像ファイルに変換していた。図の数がひとつやふたつくらいなら別に問題ないのだが、この記事みたいに図が多いとかなり面倒なことになっていたので、できれば(半)自動化が望ましい。以前ちょっと調べたときは external library というのがその解決法になりそうに見えたので試してみたのだが、その時はエラーが出てどう直したらいいかわからなかったのでそのまま放置していた。

この度、再度詳しく調べ直してみたところ、dvipdfmx を使って pdf 化している時には external はデフォルトではうまく行かないようになっていることと、どうすればそれを乗り越えられるかがわかった。この情報はどうも web で検索しても見当たらなかったので、同じことで引っかかる方の参考になればと思って公開しておく。

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数学

色玉の個数の期待値と確率

■ 出発点

以下のようなよくある問題を考えてみよう。

箱 A には赤玉が \(2\) 個、箱 B には白玉が \(3\) 個入っている。A の玉 \(1\) 個と B の玉 \(1\) 個を無作為に選んで交換する操作を繰り返す。

  1. この操作を \(n\) 回を行った後、A の中にある赤玉の個数を \(X_{n}\) とする。\(X_{n}\) の期待値 \(E_{n}=E(X_{n})\) を求めよ。
  2. \(n\) 回目の操作で、箱 A から赤玉を取り出す確率 \(P_{n}\) を求めよ。
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数学

三角関数の逆数の 2 乗和

以前、「正多角形上のランダムウォーク」で、以下の等式が成立することに触れた。
\begin{equation}
\label{trig-inverse-quadratic-eq:1}
\sum_{j=1,3,5,\dots,2n-1} \frac{2}{1 – \cos\frac{j\pi}{n}} =
\sum_{j=1,3,5,\dots,2n-1} \frac{1}{\sin^{2}\frac{j\pi}{2n}} = n^{2}
\end{equation}
そこでは

割と綺麗な形の式なので、きっと簡潔で巧妙な式変形があるのだろうが、自力では思いつけなかったので、以下のように複素数表示にモノを言わせて強引に片付けてしまった

などと書いていたが、「大学への数学」のバックナンバーを眺めていたら、今年の2月号の巻頭言と3月号記事に関連する話題が載っていた。

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数学

折れ線の経路数の不思議な一致

\(\newcommand{\kumiawase}[2]{{}_{#1}\text{C}_{#2}}\require{color}\newcommand{\tintred}{red!40}\newcommand{\tintblue}{blue!40}\newcommand{\tintgreen}{green!40}\)
http://6504.teacup.com/aozoram/bbs/4127 で、面白い問題が紹介されていたので取り組んでみた。