\(\newcommand{\rnsg}{\mathrel{\vartriangleright}}
\newcommand{\lnsg}{\mathrel{\vartriangleleft}}
\DeclareMathOperator{\Irr}{Irr}
\DeclareMathOperator{\Gal}{Gal}\)
以下の文章で、「本文書」というのは「ガロア理論入門ノート」のことを指す。
■ p.25 定理26 「\(\implies\)」の証明
\(f_{i}(X)\), \(f(X)\) を1次式の積に因数分解した式の小文字の \(x\) は大文字の \(X\) が正しい。
■ p.25 定理26 「\(\impliedby\)」の証明
ここが本文書を読む上で(私が)一番苦労した所だった。理由は何点かある。
まず、「\(f(X)=\Irr(\alpha,K)\) の \(L\) の最小分解体」という部分だが、ここで \(\Irr(\alpha,K)\) を \(f(X)\) とおくのは非常に紛らわしい…と言うか、はっきり言って誤り。「\(\impliedby\)」の仮定の \(f(X)\) も、この後で出てくる \(f(X)\) も \(\Irr(\alpha, K)\) とは別のものである(なのでこの文書を読み始めた頃はここの議論は非常に頭が混乱した…)。なので、ここの「\(f(X)=\)」は削除すべき。また、うって変わって非常に細かいことだが、「\(L\) の最小分解体」は「\(L\) 上の〜」であるべきはず。
そして、それにも増して当初さっぱり理解できなかったのが「\(\sigma\) を単射準同型写像 \(\tau\colon L \to L(\beta)\) まで拡張することができる」の部分だ。一体なぜそんなことが言えるのか?理由としては「\(L\) は \(f(X)\) の \(K(\alpha)\) 上の最小分解体であり、\(L(\beta)\) は \(f(X)\) の \(K(\beta)\) 上の最小分解体であるから」と書いてあるのだが、そのことがどのように生かせるのか、始めのうちはまったく謎だった。