第2巻最大の驚きはこれでした。な、何と誠四郎の原型が登場するとは!第 1巻収録分に出なかったため、てっきり誠四郎はアニメ版のみのオリジナルキャ ラかと思ってしまっていたため、第1巻の雑感 では思いきり見当違いなことを書いてしまいました。伊達さんにはお詫び申 し上げます。
それにしても、高田健児は、夏目誠四郎と違ってずいぶんと恵まれたキャ ラですね。特に、涼の方まで以前から彼に憧れていた、というのは驚きでした。 高田の部屋でのふたりの会話の様子、涼の照れてる様子が微笑ましくていいで すね。ちゃんと長沢美樹さんと岩永さんの声で頭に響いてきます(笑)。
でもって首尾よく想いが通じ合うふたり。手を握ったり、一緒に映画を見 に行ったりして、これがアニメ版であんなに幸薄かった誠四郎のかつての姿か と思うと泣けてきます(笑)。アニメ版でも、彼にこれくらいの積極性があれ ばねえ(しかし涼よ、男子と手をつないで歩いたのが小学校3年の遠足の時以 来、って、それではまるで「 トップをねらえ!」のタカヤノリコのよーだ(笑))。
さて、涼は春休みをあまり共にできない事情を高田に告げますが、「休み はあるからそれは高田君にあげる」って、何だかもうすっかりイチャイチャし まくりのベタベタな幸せカップルですね。この涼が後になって高杉ならぬ山本 へと心変わりしていくとは、考えてみるとアニメ版よりも高田は不幸、と言え るかもしれません。一度は幸せの絶頂を味わっている訳ですから。(しかし、 分量的に、残り2巻ではそこまでは話が進まなそうな気もする――1999,12/9 記)
一方、理事長の計画も、この第2巻収録分に入ってから着々と進行中です ね。なるほど、こいつが CD Vol.1 で触れられていた若き秘書ですか。確かに 有能そうな奴です。アニメ版だと高野協に女子の加入を認めさせる桂子の見通 しがずいぶんと甘かったですが、原案小説では結構いろいろと策を巡らせてい て、その辺はちょっと安心しました。
アニメ版でももう少し理事長に深謀遠慮があってよかったんじゃないかと は思いますが、まあそれをやっていると面白みの薄い地味な場面ばかり続きそ うでもありますし、この話はこれくらいにしておきましょう。
それと、監督の名前が明らかになっていましたね。性は「木戸」でアニメ 版と共通ですが、下の名前は「真一郎」ですか。ということは、この「木戸」 がきっかけとなって、幕末ファンのスタッフが名前を「晋作」にして、ついで に「高杉」という名前が出ることになったんですね。なるほど。
アニメ版では春休みからすでにメンバーが練習に入っていましたが、原案 小説では入学式当日に初練習、ということになっていましたね。テンポよく話 を進められるように、アニメ版では展開を切り詰めたのでしょう。その代わり、 入学前に涼はノンプロチームで練習をすることになりました。
アニメ版での設定を上回る 140km/h の速球で、並いるバッターを手玉にと る涼は、やっぱり惚れぼれするようなかっこいいキャラですね。また、変化球 も「魔球のような切れ味」であることが解って大満足です。アニメ版では涼の 球速とコントロールの凄さは描かれていたものの、変化球については「投げる こともできる(第9話より)」ことが解っ ていただけで、どれくらいのものを持っているのかはよくわからなかっただけ に、これで補完されたのは実に満足です。
p.4 l.4-5「ある期待を持っていたと言えば嘘になる」←「それはウソ!! (ユキ)」逆ですってば、伊達さん(笑)。