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数学

色玉の個数の期待値と確率

■ 出発点

以下のようなよくある問題を考えてみよう。

箱 A には赤玉が \(2\) 個、箱 B には白玉が \(3\) 個入っている。A の玉 \(1\) 個と B の玉 \(1\) 個を無作為に選んで交換する操作を繰り返す。

  1. この操作を \(n\) 回を行った後、A の中にある赤玉の個数を \(X_{n}\) とする。\(X_{n}\) の期待値 \(E_{n}=E(X_{n})\) を求めよ。
  2. \(n\) 回目の操作で、箱 A から赤玉を取り出す確率 \(P_{n}\) を求めよ。
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数学

三角関数の逆数の 2 乗和

以前、「正多角形上のランダムウォーク」で、以下の等式が成立することに触れた。
\begin{equation}
\label{trig-inverse-quadratic-eq:1}
\sum_{j=1,3,5,\dots,2n-1} \frac{2}{1 – \cos\frac{j\pi}{n}} =
\sum_{j=1,3,5,\dots,2n-1} \frac{1}{\sin^{2}\frac{j\pi}{2n}} = n^{2}
\end{equation}
そこでは

割と綺麗な形の式なので、きっと簡潔で巧妙な式変形があるのだろうが、自力では思いつけなかったので、以下のように複素数表示にモノを言わせて強引に片付けてしまった

などと書いていたが、「大学への数学」のバックナンバーを眺めていたら、今年の2月号の巻頭言と3月号記事に関連する話題が載っていた。

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数学

折れ線の経路数の不思議な一致

\(\newcommand{\kumiawase}[2]{{}_{#1}\text{C}_{#2}}\require{color}\newcommand{\tintred}{red!40}\newcommand{\tintblue}{blue!40}\newcommand{\tintgreen}{green!40}\)
http://6504.teacup.com/aozoram/bbs/4127 で、面白い問題が紹介されていたので取り組んでみた。

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ガロア理論 数学

続・方程式のガロア群の求め方

方程式のガロア群を解の置換群として求める方法を書いた2年前のこの記事を元に、数式処理ソフトで具体的にガロア群を計算する手順を組み立てて下さった方がいました。こちらの記事で公開されています。
-数学- ガロア群の計算、初めに Maxima で綴る数学の旅

コメント欄では、数値計算を利用して(正面から立ち向かう計算では数式処理ソフトでも手に余るような)5 次方程式に対しても現実的な時間内で \(F(x)\) の既約分解を求める手順も紹介されて、大変ありがたいです。

(ちょっと意外でしたが、一度 \(120\) 次式 \(F(x)\) が整数係数の多項式として求まってしまえば、それを既約分解することは正面から立ち向かっても数式処理ソフトなら手に負える範囲の計算なのですね。真に大変なのはその手前の、\(120\) 次の対称式として得られる \(F(x)\) の係数を基本対称式に帰着してその具体的な値を求める、という計算の部分のようです。それらに難易度的な差があるかどうかということは考えもしていなかったので「おお、そうなのか!」という驚きがありました)

ここから、以前の別記事の手順に従って、可解なガロア群を持つ \(5\) 次方程式の解を実際に求める、ということに、時間のあるときにじっくり取り組んでみようと思います。

以下、補足的な事柄についていくつか触れてみます。

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数学

MathPower 2017 参加してきました

今年は仕事の休みが取れて、MathPower を楽しんで参りました。食事などで会場を離れていたこともあったため、演目の全部は見ていなかったのですが、大変楽しかったです。加藤さんの ABC 予想の公演は非常にエキサイティングでした。観られなかった部分は、ニコニコ生放送のタイムシフトでいずれじっくり観ようと思っています。

演目のひとつ「数学の決闘」の予選問題に、この blog で以前触れた問題を採用していただいたのですが、解答の公開が滞っているようなので、こちらで公開しようかと思います。

また、決勝の問題1は(私にとっては)大変手強い問題で、解くのに 1 週間以上もかかってしまいました。模範解答はどんな風なのか割と楽しみにしているのですが、中々公開されないので、参考までに私の解答も掲出しておきます。