\(\newcommand{\V}[1]{\boldsymbol{#1}}
\newcommand{\order}[1]{\mathcal{O}(#1)}\)
エネルギー運動量テンソル \(T^{ab}\) の空間成分、あるいは応力テンソル \(\sigma^{ab}\) は、添字(の入れ替え)について対称になる。このことの物理的な理由は普通「トルクの釣り合い」によって説明されるようだ。が、この説明は実はちゃんとした説明になっていないんではないか…ということに、前回の話の考察をきっかけとして気がついた。
月: 2016年11月
\(\newcommand{\V}[1]{\boldsymbol{#1}}\)
押した棒を離すパラドックス
だいぶ以前だが、相対性理論について面白いパラドックスを見かけたことがある。
極端大仏率Returns!“相対性理論はやはり間違っていた!”
これは非常に面白かった。「静止系では棒の加速はないはずなのに、運動系では加速が生じるはず。そして『加速のあるなしは慣性系の取り方によらない』のでこれは矛盾している」あるいは、「静止系では棒の速度は \(0\) のまま変わらないので、運動系でも速度は一定で変わらない。ということは運動量の変化もないはず。ところが運動系では \(0\) でない正味の力積を受け取っているので、前後での全運動量は変化しなければならない。これは矛盾している」というのは確かにパラドキシカルで、最初にこれを読んだ時にはかなり混乱して、なかなか解決に至らなかった。