第26話 輝け!プリンセスナイン

サブタイトル表示画面では「最終話」となっていますが、あくまで「第1 部完」である、との立場を取り、ここではあえて「第26話」と表記します。

如月女子に前回ほとんどいい所がなかったので、果たして納得の行く締め くくりになってくれるかどうか、強く危惧しながら見たのですが…。望月監督、 やってくれました!ここまでやってもらえれば何も言うことはありません。26 話中最高の内容でした。やればできるじゃないですか!こーいうハッタリズム 溢れる演出を、他の回でももっともっと見せて欲しかったです。

奇跡の反撃開始

「黄金の左腕投手、その名は早川 涼!」がかかり、景気のいい反撃ムード が高まります。まずは聖良が足を生かして出塁。「吉田」という名前が初めて 明かされた(笑)ピッチャーに向かって高杉は「油断するな!!」なんて命令 調で叫んでますが…ピッチャーも1年生なの?

ここでチラッとはさまる、駆け寄ってくる寧々のカットがあとで効いてき ます。続いて、ヒカルの最高の見せ場へ。

「さてと、ここで何とか突破口を広げなあかんか。ちょっとキツイ場面やけど な…」
「ヒカルちゃーん!」
「へ?」(このときの「ほえ?」という感じの声と表情がまたイイ(笑))
「一発かっ飛ばせー!」
「誠四郎君…!?」
「そしたら、デートだよ!ぼく、うまいお好み焼き屋知ってるんだ!」
「このアホウ!こんなとこでなにゆうとんねん、恥ずかしいなあ、もう…」
公衆の面前でラブラブパワー発揮。現実にこれをやってうまくいかなかったら カッコ悪いことこの上ありません(笑)が、これがうまくいくところが作り話 のいい所ですね。作り話であることの長所を最大限に生かし、気持ちのいいス トーリーに身を任せる快感を味わわせてくれる「プリ9」の真骨頂が、26話で 最高の形で発揮されていました。

その次の、左打席でバットを構えるヒカルがカッコよくてもう!「ほんな ら、ウチの切札の左打ち、見せたろか」というセリフと、不敵なツラ構えにも うメロメロです(笑)。ここん所は作画もよくて、ヒカルのカッコよさを存分 に堪能させていただきました。やっぱりアニメってのは作画がいいとそれだけ 作品に力が宿りますね。ヒカルのおさげの長さがカットによって違っていたり するのも気になりません!(笑)

ここで、寧々が駆け込んできて小春に FAX を見せるシーンが挟まるのもう まいタイミングです。FAX の内容をまだ視聴者には見せずに、小春の驚いた顔 だけを見せる小技も効いてますね。望月絵コンテが快調に飛ばしています。…… …あまりに快調すぎて、ヒカルのバッティングの瞬間が見られなかったのはい ささか残念ですが(笑)。

この、バッターボックスでニンマリ笑っているヒカルの表情も、生き生き していて大変いいです。今回はヒカルは特に作画に恵まれており、この次の誠 四郎とのやりとりのシーンも、表情の変化や身ぶりの細かい動きなどもしっか り作画されていて、見てて気持ちのいいシーンでした。

「かっこいいぞ、ヒカルちゃーん!」
「どうや、デートはいただきや!」
「僕が愛のお好み焼きを焼いてあげるからね!」
「アホー!お好み焼きは手際とタイミングが命やで!あんたなんかに任せられ へんわ!」
「じゃあじっくり教えてくれよ!」
「うふ、よっしゃ!!」(←このときの幸せそうな表情と仕草がまた格別!(笑))

真・荒波スイング

まずはいきなり「ドオォーン」というものものしい効果音とともに、

です。
ユキ「風…」
真央「どういう意味?」
加奈子「さあ…」
FAX にボタボタとこぼれ落ちる涙を、小春は拭おうともしません。涙でタメに タメてキッと振り返る小春!

今までに何度か「プリ9は『タメ』のタイミングがなってない」と指摘し ましたが、このカットは見事です。小春が迷いをふっ切って決然と顔を上げる までのタメの時間を十分取り、しかもその間構図を少しずつ変えて、視聴者が ダレないようにちゃんと手を打ってある。だから、「静」から「動」への変化 が十分際だち、視聴者の心情と小春の心情が同調し、カタルシスが得られるよ うになっているのです。これこそ、娯楽作品を提供するプロの仕事と言うべき 部分でしょう。現に私は、何度見返しても小春がバットケースからバットを引 き抜くシーンで背中に震えが走ります。

BGM もこの場面を支える重厚な曲調で、最初はこのシーンのためだけ に特別にあつらえたものだとばかり思っていました( 5話で使われていたことは全く頭に残っていなかっ たのです)。

この小春の打席のシーンも、王道のハッタリをこれでもかとばかりに詰め 込んだ、ハッタリズムの具現ともいうべき超名シーンです。

まずはいきなり、「打席で目をつぶる小春」。そしてたちまち「2ストラ イクまで追い込まれ」ます。この辺りは、 第1話の涼の登場シーンとも通じる、 古典的ながら正統派の演出ですね。BGM はいやが上にも盛り上がって行きます!

そして、涼との出会いの時の父のセリフが、小春の脳裏に甦ります。あれ だけのクサいセリフをわざわざ再現し、しかもそれを真剣になって噛みしめる 小春は、正直言ってみょーに可笑しくて(笑)、見る時は笑いをこらえながら 見るんですが、しかし、これもまた演出の手法のひとつでもあります。バカバ カしいまでにクサいセリフを、大真面目に再現するからこそ、このシーンに力 が籠るんですよね。

さらに、

小春「風…おとやん、おおきに…」
のセリフとともに、「どこからともなくふき始めた風が小春の髪をそよがせる」 のも、笑わば笑え。むしろ笑える程なまでに熱くてクサいからこそ、このシー ンにより力強さが宿るというもの。それにプリ9の「イッちゃった」演出は、 まだまだこんなものではない!

「小春ひとりを残して磯へと変貌する球場!」「視界の彼方に立ち上 がる大波!!(この時の「ゴギュウウゥッ」という効果音の気合いの入 り方がまた凄い!)」「その波を突き破って来るボール!!! 」と、あの世からもたらされたパワーに突き動かされたような力任 せで爆笑ものの演出に、視聴者はど肝を抜かれ、唖然呆然としつつも、何だか 訳の解らないパワーに呑まれて、泣いていいんだか笑っていいんだか感動した らいいんだか解らないような感情のるつぼへと投げ込まれます。

そして、矢島さんの気合い一閃!!(矢島さんは達者だな〜)バットを振 り切った小春に、波しぶきがかかるおまけつき!(ボールを見送る小春の作画 もグー!)ボールは躍動感に満ちた変形を繰り返しつつ、空間を切り裂き、場 外へと消えていきます。BGM ももう最高。天野さん、吉田さん、一生ついてい きます!

25話で欲求不満に苦しみ抜いたからこそ、この シーンの爆発的な快感がより引き立つ訳で、ここは望月監督の計算を称賛しま しょう。お見それしました!

あえてこのシーンにケチをつけるとしたら、

という所でしょうか。

同点

ハッタリズムの具現、という点では、次のいずみのシーンも負けてはいま せん。ヒッティングの瞬間を、如月女子ベンチの急速回転ズームダウンで置き 換えてアクセントを効かせるくらいは序の口。ホームで単にクロスプレーにす るくらいでは生温い!と望月氏は判断したのでしょう。ジャンプしてタッチを かいくぐるいずみを、仰々しくもストロボ撮影風のストップモーションで描き ます。

図々しいと言うか、力強いと言うか、やっぱりこれも笑えるシーンなんで すが、それと同時に、そのようにもったいぶった描写が、このシーンに厚みを 与えているのも事実です。ホームをもぎ取って不敵に笑ういずみの顔が頼もし い。

同点に追いつき、今までの沈滞感が一掃された如月女子。ユキも

ユキ「大丈夫、私…打てる!」
と頼もしいセリフを口にします。打席に立つユキは自信満々の笑みを浮かべ、 完全に吉田を呑んでかかっています。目を「キラッ」と光らせ、痛打を放つユ キ。が、この打球は高杉の執念の前に阻まれます。「そんな…」と力を落とす ユキ。まあ同点にはなってるんだから、そこまで悲痛な表情をしなくても。

ここで、手前から奥に向かって空間を切り裂いて行くユキの打球、ほんの 一瞬のカットながら作画の密度が濃く、感心しました。やはりオーラスだけあっ て作画陣の目つきがまるで別人だぜ気合 いの入り方も格別ですね。エンディングクレジットには加瀬政弘さんの名前が あったけど、加瀬さんはどこを作画したのかな。

真実

「ごめんね涼、助けてあげられなかった」と謝るユキに力なくうなずく涼。 それを見て、いずみは「違う!ユキは悪くない!」と喰ってかかります。

いずみ「今日の不調の原因は、疲れだけじゃないわね」
うん、たぶん、徹夜明けってのがきついんだと思うな(笑)。 一睡もせずに9回投げ抜くなんて、そりゃ調子も悪くなるでしょう(違うっ て)。

「相手が宏樹だから。こだわってるのね、昨日のキスのこと」傷口をえぐ るようないずみの追求に耐え切れず、ベンチに崩れ落ち、目と耳をふさいで逃 避する涼。

涼「そんな話はやめて!聞きたくない!」
いずみ「聞くのよ!」
涼「いやだ!これ以上何を聞けって言うのよ!」
ここの所、長沢美樹さんのしゃがれ声が切迫感を実によく表していてお見事!

とうとうと説明ゼリフを語るいずみ。これで一連の件が涼以外のチームメ イトや木戸にも知られてしまいましたが、やむを得ないでしょう。しかし、守 備につかなくていいんですか、如月女子のみなさん。審判に注意されちゃうぞ (笑)。

プリ9最傑作 BGM の一つ「宏樹のテーマ・変調バージョン[2005,7/31] 私たちの戦い」がかかり、いよいよ最後の 対決ムードを盛り上げます。うう、やっぱり何度聞いてもこの曲は魂の奥底に訴 えかけてくるぜっ!闘志を取り戻した涼に、ナインの士気も上がります。

余談ですが、相変わらず金月さんの芝居には不満が残りますねえ。「あの、 宏樹なのよ!」って、もっとドスを効かさないと全然効果出まへんがな。9回 表のヒッティングの瞬間の「ほああぁーっ!!」ってのも、どっか空気の抜け たような感じでしたし…。高杉への2球目のイナズマボール投げる時の長沢美 樹さんの気合いを見習って下さいよ。画面はこれまで何度も使い回されてきた バンクシーンで、もはや全然新味なんかないんですが、それでも濁りすら滲む 気迫の籠った叫び声で、これまでのイナズマボールを凌駕する迫力満点のシー ンに仕上っていたじゃないですか。ああいう、作品に命を吹き込む「技」こそ、 プロの役者の真髄だと思うんですが。

さらに余談ですが、こういう「わめき声の第一人者」と私が目しているの が日高のり子さん。「 トップをねらえ!」4・5・6話で打ちのめされました(笑)。※日高さ んが今使ってる芸名では、「高」の字は、中央が「口」ではなくて、その左右 の縦棒が上下に伸びてなべぶたとはこがまえに達している方の字。この字は JIS 規格にないので、コンピュータ上で文字としては表現できない。

9回裏

英彦の写真を出す志乃。ここでこういう小道具を忘れずに出してくるのは うまい!と思った反面、「でも志乃の立場からすればこれは9回表に涼が打席 に立った時に出すべきものでは?」とゆーツッコミが心に浮かんだのも事実 (笑)。あの時点では9回裏まで回らない公算が高かったもんね。

高杉のメダルも手放し、涼は高杉との真剣勝負に臨みます。しかし「ここ に来て身体の疲れがピークに達し(木戸談)」、制球がままなりません。「肩 が決まらない…!」と歯をくいしばる涼。BGM が悲壮な様相を帯びてますます 盛り上がります。

涼「負けられない…負けられないのに……なのにどうして、どうしてこんなに 身体が重いの…!?」
こういうセリフが、冗談でも何でもなく真剣に飛び出して来て、しかもそれが 全然浮いたりしない所がプリ9の凄い所ですよね。これは本当にこの作品を象 徴する名セリフだと思います。

しかし、ここは審判が試合を止めるべきだと思うんですが(笑)。他人か ら見れば、連投の疲れでピッチャーが倒れ込んでしまったようにしか見えない はずで、こういうときに審判権限で試合を強制終了させて、球児の健康を守る のも、高校野球での審判の役目のひとつだったはずです。特に涼みたいな「年 端も行かぬ女の子」が倒れ込んであんなに苦しそうにしているというのに、無 理に試合を続行させたりしたら、世論が恐いですよー、主審さん。

どうしても力の入らない涼は、立ち上がることすらできません。

涼「このまま、倒れてしまいたい…そしたら、どんなに楽だろう…」
宏樹のテー マ・変調バージョン[2005, 7/31]私たちの 戦い」終了。そして。ここから、1900年代最後の傑作「プリンセスナイン」第1 部ラストを締めくくる、世紀の爆笑シークエンスの始まりで す!(笑)

涼対高杉・最後の決戦

高杉の突然の狂態に、呆気にとられる涼。そりゃそうだよな(笑)。ここ は子安さんも、すべてをふっ切ってトランス状態にでも入って演じ るしかないでしょうね。

高杉「昨日、俺はなぜか君に会えなかった!だから、その時言えなかったこと を、今ここではっきりと言う!」
「なぜか」じゃねーだろ!!わざわざ電話で呼び出しを受 けたのに会えなかったんだから、涼に電話して事情を確かめるくらいのフォロー はしろ。「今ここで」じゃ遅い。昨日のうちにだ。「オマエの涼への愛情は、 そんな程度のものだったのか!?」(笑)。

それにしても、「君だけを追い続ける」って、「嫌い」って言われたのに コレじゃ、ただのストーカーだよ(笑)。たまたま、「実は両想い」だったか らよかったよーなもののさあ。

客観的に考えても、涼はここまで6試合ひとりで投げ抜いてきたんですか ら、調子崩しててもおかしくないと思うんですが、高杉にはそういう判断もで きないよーです(笑)。こんなこと言ってますもん。

高杉「しかし、俺が世界一好きな君の球は、こんなものじゃない!俺の大好き な君は、そんな弱虫じゃない!」
そ、そんな身勝手なこと言われても困るんですけど(笑)。何かこの辺も島本 和彦的なものを感じます(笑)。「立てっ滝沢っ おまえはその程度の男かっ! いやちがうっ! おれたちがこの程度だと納得するまで立ちあがってもらうぞっ !」

そして高杉はイナズマボールを要求します。

高杉「もし、君が俺と同じ気持ちなら!愛があるなら!!次の球は……… イナズマボールだ!
この、最後の「イナズマボールだ!」の部分、目一杯ドスが効いてて凄みがあ りますね。子安さん、お見事。こういう部分が、プロの役者の仕事を聞く楽し みです。

また、このとき高杉がバットを改めて握り締めるときの「ギュウゥ」とい う効果音も、極めてオーバー、かつ迫力に満ちていて、感銘を受けました。改 めて倉橋さんに敬意を表します。

あんまり身勝手なセリフばかり連発されて、ついに涼も怒り心頭に発しま す。目には古典的な燃え盛る炎!

涼「ガンモちゃんなんて、呼ぶなああーっ!!」
最初の頃、「ガンモちゃん」と呼ばれる度にスネていた設定がうまく生かせま したね。最近はそう呼ばれても何も言わなくなったので、もう気にしないこと にしたのかと思っていたら、やっぱり気にしていたみたいです(笑)。(最終 回のこれを見越して、高杉に「ガンモちゃん」と呼ばせていたのだとしたら、 望月監督の周到な計算に脱帽です)

折しも、タイミングよくかかる主題歌。ここから先は、もう完全にお祭り 状態ですね。26話分の、あらん限りの思いの丈を、これでもかとばかりに思う 存分なんでもあり状態でたたきつけてきています。おかしさと感激に、爆笑し つつも目にはうっすらと光るものが覗く、そんなシーンになっています。ここ まで場を盛り上げる立役者となってくれたんですから、まあ、 「イナズマボール」のことも、これで 半分は許しましょう

長沢美樹さんも熱演で子安さんに応えます。

涼「ありがとう!私も、高杉君が好き!だから、絶対に、打ち取る!!」
ついにスパークするイナズマボール!いやー、涼と高杉、完全にふたりの世界 に突入していますな。この二人に比べれば、さっきのヒカルと誠四郎の「ふた りの世界」っぷりなんてかわいいものです(笑)。

それにしても、役者さんって、効果音も BGM も何にもない状態で芝居しな きゃいけない訳ですよね。そんな状態で、よくあれだけ気持ちを高めることが 出来るものだ、という点は本当に偉大だと思います。

イナズマボール2球目。さっき述べたように、これまでのすべての気合い を上回る烈帛の気迫を放つ涼から、渾身のイナズマボールが投げ込まれま す………ビジュアル的には何も変わらないみたいですが(笑)。バットで捉え たものの、あまりの球威によろめく高杉。「何っ!」

ここで間奏部分に入る主題歌が、もうかっこよくてかっこよくて。ストー リーの盛り上がりともあいまって、涙もろい私にとっては、本当に泣けてくる ようなメロディーラインです。「グイーン」とうなるシンセ音と、ワルシャワ フィルの重厚なストリングのハーモニーが私の心に迫って来ます。できればこ の部分も聞けるよう、サウンドトラック CD に主題歌のフルバージョンも集録 して頂きたい!→[2005, 7/24] CD Vol.3 に収録 されました!

んで、今さらですが、

長谷川「イナズマボールがバットに当たったのは、今大会これが初めてです」
ってのもいい加減すごいですね。今まで誰もバットにかすりもしなかったなん て(笑)。

オーラ立ち昇るド迫力の涼もいいですね。これが橋本氏の絵かしら?

涼「これが、私の、最後の、答だ!!」
いや……カウント 2-3 だけど、ファールの可能性があるから最後とは限らな いんですケド(笑)。これで最後にならなかったら、みっともなかったぞ、涼ぉ。 それに、仮にこれで高杉を打ち取っていたとしても、まだ1アウトなのよ? (笑)

金剛寺 弾氏描く「超高校級スイング」 (笑)がイナズマボールを打ち砕き、ボールは高々と舞い上がります。次々 と如月女子ナインの顔がオーバーラップする中、最後にトリを務めるのは……… そう、この人が最も適任かもしれませんね。フィーフィーちゃん亡き今、ボー ルの落下地点の事前予知能力こそ失われてしまったものの、人間離れした身の こなしは健在のレフト、東ユキ。

広角レンズ風の歪みを帯びた画面で、真下から見上げる凝ったアングルの ショットで、フェンスに飛びつくユキ。さし延べるユキのグラブを掠めて、ボー ルがスタンド入りするカットが、角度を変えて3回描かれます(3回目の軌道 がずれすぎて見えるのはご愛敬)。

崩れ落ちるユキに、声をかける加奈子。芝居はヘタでも歌はうまい金月さ んの挿入歌が流れる中、高杉が黙々とベースを一周します。その合間にはさま る、木戸、寧々、誠四郎、志乃、桂子、校長&教頭の一言。続編への未練をたっ ぷり残しつつ、如月女子の甲子園への1回目の挑戦には、こうして幕が下りた のでした…。

私としては如月女子が勝つ展開になっていたとしても不満はありませんで したが、やはりこれまでの描写から自然に考えると、敗北は順当な結果でしょ うね。何はともあれ、感無量の結末でした。

シリーズ通しての感想を改めて書きたい所ですが、ここまでで力尽きてし まった(笑)ので、後日また改めて書くことにします。


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井汲 景太 <ikumikeita@jcom.home.ne.jp.NOSPAM.>(迷惑メールお断り)
最終更新日: 2005年9月18日