第8話 野球部の運命をかけて

主役交代

今回はいずみが主役の回。自分だけのものだったはずの高杉はポッと出の チビに奪われそうになるわ、母親の浮気の相手は解らないわで踏んだり蹴った りの精神状態に追い詰められるいずみ。とにかく、桂子が大切に隠し持ってい た写真の人物の正体を突き止めるため、鼻息も荒く猛進する。

そんないずみの迫力は完全に涼を圧倒しており、この回の主役は完全にい ずみだった。例えば、涼は、父親の写真が入ったロケットをいずみが持ってる のを見たにも関わらず、走り去るいずみにそれ以上のことを全く追求しようと しない。その後、部室やグラウンドでいずみと再会しても、そのことは全く忘 れてしまったかのよう。

これは、この回、涼が主人公として機能していない象徴的な出来事だった (だって、赤の他人が自分の父親の写真の入ったロケットなんか持ってたら、 どういうことなのかすごく気になるよねえ。例えその場では答えてもらえなかっ たとしても、機会がある度に事情を解明しようとするもんじゃありませんか?)。

魔人ユキ

ある意味では、今回最もインパクトがあったセリフは

「フィーフィーちゃん……18光年彼方の、ユーカラ星からきた宇宙 人。ユキのお友達
だった。初めてこれを聞いたときの反応は、「ひーー!オマエそういう電波少 女だったのか!もーいい、あんたはもうしゃべらんでくれ(笑)」だった(もっ とも、この認識は第10話で 180゜変わってしまいま したが。あの9回表のミラクルプレーを含むシーンに、魂を持って行かれてし まいました(笑))。

そして、短いカットバックを挟みつつ期待感を盛り上げた上で、ついにドー ン!という効果音とともに新主人公・いずみ登場。さらにいきなり切る啖呵が 「目障りなのよ!」おお、いいぞ!この傍若無人な態度!!(おいおい)

そして木戸の調停で対決日時決定!で、ひー!主題歌がかかるー!!(笑) うひゃー、こうまでストレートに来るのか。いやー、燃える燃える。

報われない誠四郎

何とか涼に気に入ってもらおうと、涙ぐましい努力をする誠四郎。でも、 鈍感なあのコには気づいてもらえないのね。

涼「いつも優しいね」
「優しいね」じゃないっつーの(笑)。うう、気の毒な誠四郎。でもそこで
誠四郎「早川の役に立つなら何でもするさ」
と引いちゃダメです。それじゃ君の気持ちは伝わらない………って思ってるう ちに、とうとう最終回を迎えちゃいました(笑)。うう、結局ただのアテ馬だっ たのね?解説者役としてのポジションも、14話以降 は加奈子に譲らなくちゃいけなくなっちゃったし、結局始末に困った製作者側 にヒカルを「あてがってもらった」感じ(ゴメン…)。とことん哀れなキャラ でした。オープニングだと高杉や木戸、桂子や志乃と同じ扱いだったから、そ んなにひどい目には遭うまいと思って見てたんだけどねえ…。

観察日記「檻の中のカナリア」

ペットのカナリアはもう嫌!と訴えるお嬢様。珍しく、金月さんの芝居が まともに聞こえる(余談ですが、金月さんって、どうも芝居がヘタくそであま り好きになれないんですよ、私。長沢美樹さんと比較するとどうしてもヘタさ が際だってしまって、せっかくの熱い「プリ9」の興が削がれる一因でした。 「ガサラキ」を見る気になれなかった理由の一つが、金月さんのヘタな芝居が 聞きたくなかった、というものなんですよね…。これが歌になると完全に逆転 して、「想像を絶するどヘタ」な長沢さんに対し、素人としちゃ十分うまい部 類に入る金月さんの対比が面白い所。ちなみに、CD ドラマでの金月さんの芝 居は、あそこまで壊れたいずみをやってくれるんであれば許す)。

それにしても高杉、一体どこから現れたんだオマエ!?しかも脈絡もなく 唐突にユニフォームで!!ひょっとして、練習終わった後学校からそのまんま の恰好できたのか!?(笑)むひょひょ!!

「どう?いたいのとんでったろ?」というアホ丸出しの声も、子安さんの 芝居が冴えてました(笑)。

そして、鏡に向かってにたあーっと笑ういずみ。うん、今日のいずみはずっ とこの調子だったけど、この人、こういう役柄があってますね。という訳で、 今日から君は「こわいひと」の役回り決定ね。

それにしても寧々、その恰好はなんだ(笑)。それも何かのマンガで見た のか!?

そして木戸の「プレイボール!」のコール、画面分割で終わり。ああっ!! こんないい所でっ!は、早く続きを見せてくれーっ!!

「プリ9」ストーリー批判・番外編

ところで、第8話でいずみが涼の球速が「130キロ」だと言ってました が、これはちょっと個人的に残念でした。どうせ涼の球速の部分に関してはリ アリティーなんてハナから放棄してるんですから、そんな控えめなこと言わず に、もっと160キロだの170キロだの180キロだのという非人間的な景 気のいい値にして欲しかった所です(笑)。

と言うか、そもそも涼の球速は下手に具体化したりせずに、「とにかくも のすごい速球」でもって押し通した方がよかったと思うんですよ。せっかくス ケールが大きい話を楽しませようとしてくれてるんですから、ホラは豪快につ き通して欲しかった、と私は思います。


各話感想一覧へ
プリ9トップページへ
全体のトップページへ
井汲 景太 <ikumikeita@jcom.home.ne.jp.NOSPAM.>(迷惑メールお断り)
最終更新日: 2000年4月22日