第20話 胸さわぎの強化合宿

さあて、今回は一部の人たちがあがめ、熱狂する回ですね(笑)。遂に話 数も20台に突入。ああ、あともう6回しかない〜〜、と、当時放映終了後嘆い ていたものです。

合宿開始

まずはいきなり作画が変。タイヤの回転数に比べてバスの進むスピードが 遅すぎる!今回は全編通じてもかなり作画のよかった方の回なのですが、その 回ですらこのザマで、残念なことでした。

いずみは涼が気になるみたいで、車中で涼に 秋波視線を送ってましたね。

あくまで寧々

合宿でも寧々は大活躍で、おいしい所持って行きっぱなしですねえ。よっ ぽど演出家諸氏に好かれていたと見えます。私、このキャラあんまり好きじゃ ないんで、ちょっと困るんですが…(笑)。

寧々「畳の部屋でみんなといっしょなんですねー。こんなの初めてですぅ」

何ィ!?

加奈子「海外だったから、ホテルに泊まったのよね。」

こ、これだから金持ちはよー(笑)。

寧々「小学校の修学旅行は、地中海クルーズだったんで船酔いしたことしか記 憶にないんですぅ」

ええいもーいい。ブルジョワの金持ち自慢はもーたくさんだ(笑)。

考えてみりゃ如月女子ってのはそーいう金持ちの子女ばっかり集めた学校 なんですね。途中から入って来た涼・ヒカル・小春・聖良なんかの方が、どっ ちかというと場違いなよそものなんでしょう。

で、寧々や加奈子と並んでもとから如月女子にいた「お嬢様組」のひとり のいずみは、そんなやりとりを後目に、ひとりグラブにパンチをたたき込んで います。しかし、そんな短いスカートで2階の窓枠に座り込むとは、なんて大 胆な(笑)。通りがかった人に見えちゃっても知りませんぜ、あたしゃ。

木戸失態

木戸、またもノックせずに扉開けてますね。学習能力のないやっちゃ(笑)。 おまけにメニューまで考えてないと来たもんだ!合宿の当日に部員に質問さ れてうろたえるとは、アンタそれでも監督ですか。

この辺は、木戸が桂子に信頼されている切れ者である、という描写と食い 違っていて、統一感の欠如が残念です。一見チャランポランに見えても実は恐 るべき実力を秘めている……!というキャラは私の好みなので、是非ともその 線を崩さずにいて欲しかった所です!

寧々「どんなマンガ読んだって、運動部の強化合宿に自由時間なんてありませ んよ」

ぬおお、またも寧々がオチを持って行くのかぁー!(笑)

練習風景

涼がいっちょ前にキャプテンの自覚を新たにしてましたね。しかし、今後 の回も通じて、キャプテンとして具体的にやったことの描写が乏しかったよう に思います。キャプテンらしさを見せたのは21話で フィーフィーちゃんを探しに行ったところくらいしか思い当たりません。

試合のシーンなどで、もう少し「キャプテン」という設定を生かすことが できたはずだと思うんですが…。こーいう所もシリーズ通しての全体の構成に 甘さを感じる所です。

練習に当たり前のようにピッチングマシンを使ってますが………これって、 結構高価なものですよね。つい先日まで廃部を取りざたされていた部であるこ とを考えると、存続が決まった後に購入計画立てて、予算申請して……という のは時間的にちょっと苦しい気がします。

女子野球部は理事長の肝入りで作られた部なので、通常の予算手続きなん かなくて理事長の裁量で勝手にどんどんことを進められるようになっている、 とも考えられます(涼が春休みに来た時にもう既に部室が出来ててグラウンド も確保されていた!)が、もう一つの可能性として男子野球部から借りてきた、 とも考えられます。太っ腹だぞ、男子野球部(笑)。

ところで、「ナイスプレイ、ヒカル!!」って声をかける涼、はつらつと してていいなあ。

小春は「だれじゃろ、その女の人って」とか、真央の好きな人を知りたがっ たりとか、見かけによらず(失礼)結構その手の話題に興味があるんですね。 うん、結構結構。

それに対して涼は監督の好きな人に全然思い当たらず「さあ…」だの、こ の後のヒカルとのやりとりだの、ニブ過ぎて困ったもんです。ちょっとお子様 に描きすぎですよう(←不満で鼻を鳴らしている)。

聖良と監督のマンザイの後、いずみが食堂を出て行きますが、いずみはど こで食ってたんでしょうね?その他のナイン(+寧々)が写ってるシーンで、 なぜいずみだけ死角になっていたのか…。え?作画担当者が手を抜きたがって いた?そんな、身も蓋もない(笑)。

で、風呂のシーンです。涼は加奈子の質問を適当にはぐらかして「お互い、 寂しい青春だね」とごまかしてますが、もうちょっと素直になってもいいんじゃ ないでしょーか。何しろ、高杉にははっきりと意思表示されているわけですし。

「いずみが聞いてるかもしれない」ということを気にしていたのかもしれ ませんが、この時点では「いずみが高杉のことで自分に敵意を持っている」と いうことはわかっていないはずなのですから、「高杉のことが好きなんだ」と いうことぐらいは聞かれてもよいのでは。

いずみはドライヤーを止めて聞き入ってますね。やっぱり気にかかってい るわけです。そーいうことをセリフに頼らず表現するという、当たり前のこと をちゃんとやってるのはこの作品の偉い点。

ヒカルの「三角関係、面白そうやからちょっと期待し取ったんやけどな」っ てセリフ、掠れかかったハスキーボイスがとってもキュート!(←アホ)

寝室

「ヒカルの好きな人」を問いつめる涼、加奈子、真央。

涼「誠四郎君!?そんな、バカな!ねぇヒカル?」
…なぜそんなに自信たっぷりなんだ、涼?(笑)

「もう、誰でも、ええやんか!」このハスキーボイスがいいなあ(しつこ い)。

どうにも気持ちが落ちつけられなくて、いずみは高杉に電話をかけます。 相変わらず、高杉と話す時は別人みたいな猫撫で声ですね、いずみは。

高杉も、「俺にできることなら、何でもしてやる」と全方位型八方美人ヤ ローぶりを発揮してます。好きな娘に意思表示したんだからさあ、そーいう、 下手に気を持たせるような言動は慎んでくれないと…。

この後の涼と高杉のゴタゴタも、もとをただせば高杉がいずみに気を持た せるようなそぶりを見せ過ぎた所にあると思うんですよね。で、高杉がそうい う不用意な言動を簡単に見せすぎる「ただのバカ」に描かれているのはやはり ちょっと問題です。これだと、「こんなバカ」に主人公がなぜ惚れるのか、説 得力が薄くなってしまう。

望月監督は、その経歴からもわかる通り、涼くらいの年頃の男女の間の機 微を描くことこそがその創作意欲の原動力になっている人ですから、涼と高杉 の間にひと波乱もふた波乱も起こしたかったのは解ります。解るんですが、そ れをやるならもう少しキャラクターの心情の描写に、説得力を持たせて欲しかっ た。

この本編だと、「ただの不用意なバカ」にしか見えない高杉に恋した涼が、 「相手の価値も見抜けないバカ」に見えてしまいます。尊敬できないバカとバ カのカップルでは、見ていてやはりつらいものがあるというものです。

それと、高杉の「いずみ。野球はいいぞ」というセリフはやめて欲しかっ たです。な、何をとーとつなことを言い出すんだ、高杉?(笑)

2日目


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井汲 景太 <ikumikeita@jcom.home.ne.jp.NOSPAM.>(迷惑メールお断り)
最終更新日: 2001年5月 2日