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確率と幾何学

「確率」というものについて考えを深めていくと、しばしば根源的・哲学的疑問に行き着く。「サイコロを振るとき、どの目が出るかは同様に確からしい、と言うが、同様に確からしいとはどういうことか。もっとあいまいさのない形で言うとどうなるのか。なぜぴったり \(\dfrac{1}{6}\) ずつに等しいと言えるのか」「そもそも確率とは何か。1の目が \(\dfrac{1}{6}\) の確率で出る、とは、一体何を指しているのか」といった疑問を、一度は抱いたことのある人は多いだろう。

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作図不能問題 本当に不可能なのか?

書こうと思っていたことがもう1つあったことを思い出したので、それを書いておく。

角の三等分問題や円積問題などの作図不可能性は、普通、作図したい実数が「定規とコンパスで作図可能な数」の集合に含まれない、ということを使って証明する(※「普通」と書いたが、それ以外の証明が存在するのかどうかは知らない)。

そのとき、「作図可能な数」というものを定義するために、「定規とコンパスはこういう使い方しかできない」という一覧を厳密に定めていく。その一覧に従えば、確かに角の三等分問題や円積問題は作図不可能ということになる。しかし、私が前からひとつ疑問に思っているのは、「普通、『定規とコンパスのみによる作図』と言った場合、その一覧にはないタイプの使い方も一部認めているのではないか?つまり、その定式化は、一般的な感覚による『定規とコンパスのみによる作図』を正しく掬い取っておらず、よくある作図不可能性の証明というのは、もうちょっと深く考える必要があるのではないか?」ということだ。(別に、定規とコンパスの裏技的な使用法を考えているわけじゃなくて、後述の通りごく真っ当な使用法だよ)