最初にお詫びと訂正を。
> > 尚、作中において西条はこの事件が「連続殺人事件」とは一言も言っていませんが、シロの「2種類の死臭を嗅ぎ分けた」発言が意味するものの内、「シロの霊視能力の高さ」には驚いても、「複数の被害者が存在する」には特に言及していないませんでした。おそらく、既に何人かがこの霊刀の被害者となっており、この事件が連続殺人事件である事を西条は知っていたためと思われます。
『白き狼と白き狐!!(その1)』の冒頭において、連続殺人事件である事がしっかりと報道されていました。従って上記の引用文は撤回します。ごめんなさい(^^;
それでは気を取り直して、死臭(霊波)と霊視について。
> では、タマモが2→4→3の順に死臭を追った場合、霊波は強くなっていくのではないでしょうか?なら、どうして200P2コマ目のタマモは「……あの狼女より手間取ったけど、私もあっちが正解だと思う。」と言うのでしょうか?霊波が強くなっているのなら、むしろ確信に近づくのではないでしょうか?
死臭とは「人が死んで霊力が抜けていく時に発する独特の霊波」の事であり、「人殺しには被害者の恨みと『死臭』が返り血のようにとりついて簡単には取れない」、そして長さんの仰るとおり「正しい方を選べば霊波は強くなっていくけど、逆に追えば弱くなって途切れる」との事です。
しかし、霊波の強弱の変化は、選択が正しかったかどうかの確認手段にはなるものの、今回の事件ではその変化を感知するのは人狼と妖孤の霊視能力をもってしても至難だったようです。現場の死臭は「かすか」で「弱すぎてとぎれとぎれ」で「もうすぐ消えちゃう」ものであり、実際、シロは「なんか…さっきより弱くなっているよーな…?」と思いながらも確信には至らず、高架下にて死臭が消えるまで追跡を続けてしまいます。そして、シロチームが高架下に到着した時刻と、タマモチームが現場に戻ってきた時刻がほぼ同じであり、シロとタマモの、霊波の強弱の変化を感知する能力もほぼ同等であるならば、タマモの場合は、霊波が徐々に強まっていくのを確信できるほどの距離を追跡する前に、いきなり「ほんの一時間ほど前の」霊波と出くわしてしまった、と考えられます。
もっとも、シロは「ニオイはまちがってなかったはず」「殺された人の『死臭』がなんで逆方向に続いてたんでござるか!?」と言っていますので、連続殺人事件であると看破し「被害者の『死臭』が混じってる方が、正解」と判断した事、つまり霊波の強弱の変化を軽視した事が仇となってもいたようです。そして、「かぎわけるのに時間がかかった」の台詞より、タマモもまた同様の判断をしていたようです。それでも「被害者の『死臭』が混じって」いないものの「不吉な感じ」がするとの理由から、彼女はあえて追跡を続行しています。これがタマモに「私もあっちが正解だと思う」と発言させた根拠なのでしょう。
結論。
・今回の事件では、霊波が弱過ぎるため、かえってその強弱の変化を感じ取る事が難しかった点。
・霊波が徐々に強まっていくのを確信するほどの距離を追跡できなかった点。
・被害者の死臭が混じっている方を正解とし、霊波の強弱の変化を軽視してしまった点。
以上の要因が組み合わさった結果が、タマモにそのような言動をとらせたものと思われます。