長さん、初めまして。dryといいます。
> ワイド版19巻を読んでいて気付いたのですが、「白き狼と白き狐!!(その3)」の霊刀を持った犯人が、現場で女性を切りつけて、どういう道を通って最終的に歩道橋まで来たのかが3,4回読み直しても頭がこんがらがってさっぱり分からないのですが、どなたか説明してくれませんでしょうか?
まずはじめに、犯人は肉体を持たない「霊刀」であり、自らの刃で切りつけその血を吸った犠牲者の体を次々と乗っ取る事で活動していました(ただし、死体は不可)。この「新たな被害者=犯人の次の体」「犯人の前の体=実際に発見される死体」という図式が、殺人事件の捜査を困難なものにしていました。
この事を踏まえて、犯人(霊刀)の行動を追ってみます。
1.1つ前の現場(詳細不明)にて手に入れた体を操り、高架下を通って最新の現場(西条が示した場所。以下、現場)へ移動。
2.現場にて女性に切りつけ、その体を乗っ取る。それまで操っていた体はここに放棄し、これが「被害者の死体」として発見される。
3.野次馬に紛れて現場に戻ってくる。ここでシロとタマモによる心霊捜査を目撃し、「狩り」の実行を思いつく。
4.現場を去ったあと、死臭(霊波)を混線させて追跡を混乱させるために、しばらく現場の周囲をうろつく。
5.シロチームを尾行。高架下にて襲撃し、西条の肉体を乗っ取る。それまで操っていた女性の体はここで放棄する。
6.高架下を立ち去り、西条の声を使ってタマモチームを現場北側の歩道橋に呼び出す。
7.歩道橋に到着するも、美神とタマモに返り討ちにされる。
3と4は順序が逆かもしれませんが、概ねこんな感じでしょうか。
シロがたどった死臭は、「1つ前の事件現場で発見された死体(=犯人の2つ前の体)の発した死臭」が現場で発見された死体(=犯人の1つ前の体)にこびりついたもので、そのルートは「2→1」となります。
タマモがたどった死臭は、「現場で発見された死体(=犯人の1つ前の体)の発した死臭」が女性の体にこびりついたもので、そのルートは「2→4→3」となります。
シロは現場において2種類の死臭を嗅ぎ分けていましたが、そのどちらが「現場で発見された死体(=犯人の1つ前の体)の発した死臭」かについては判断ミスをしていました。西条が「先入観を与えないため」に、シロとタマモに事前情報を教えなかった事、即ち「現場で発見された死体」と対面させなかった事が裏目に出たようですね。
尚、作中において西条はこの事件が「連続殺人事件」とは一言も言っていませんが、シロの「2種類の死臭を嗅ぎ分けた」発言が意味するものの内、「シロの霊視能力の高さ」には驚いても、「複数の被害者が存在する」には特に言及していないませんでした。おそらく、既に何人かがこの霊刀の被害者となっており、この事件が連続殺人事件である事を西条は知っていたためと思われます。
…改めて読んでみると、かえって分かりにくい説明かも(^^;