椎名作品Q&A 過去ログ

No. 899 Re: 小鳩の学費は2万円?

Iholi : 04/06/05(Sat) 11:30

 エンキドウさん、毎度どうもです。

>  たったの2万円?

 ひとつの考えとして、この4万円を元手に稼ぎに稼ぎま
くり、最終的に倍額に……とも考えましたが、セリフの解
釈としては些か無理がありますよね。
 そもそも、この金額はそんなに不当なのでしょうか?
そこで、私立高校の学費について少し調べてみました。

 ……旧い資料しか判りませんでしたが、平成14年度の全
日制私立高等学校の平均学費は月額 31,098 円でした。
ここに忠夫たちの学校の質などを見た目で(笑)考慮、更
に学業優秀な者に適用される学校の一部学費免除制度など
と組み合わせたと仮定するならば、この2万円は学費の月
額としてはそこそこ妥当な金額ではないでしょうか。勿論
花戸家の経済状況では、年額一括払いなどは難しいでしょ
うしね。

>  その程度なら、ピートが学校中の女の子に呼びかけてカンパをつのれば、すぐ集まるでしょうに。
>  校長先生だって、「こんな理由で君のよーなまじめな生徒を失いたくない」という気持ちが本心なら、ポケットマネーを出してやんなさいよ。
>  美神も、ああまで苦労して手間と時間をかけるくらいなら、2万くらいはした金でしょう。貸してあげればいいのに。(利子はキッチリ取るんでしょうから)
>  なんで誰もこういう行動を取らない?

 ピートは……自身がブラドー島民のカンパで通学する身
であり、また教会のささやかな経済状態も支えなくてはな
りません。第一、そんな事ができるのなら自分たちの為に
やっているでしょうが……そもそも彼はそこまで器用な青
年でしょうかね。
 校長は……バイトを許可してくれましたし、小鳩が利用
している奨学金制度も学校主催のものかも知れません。彼
女に寄せる同情の程をみても、それが彼の立場でできる事
のせいいっぱいなのでしょう。そもそも個人的な好悪で特
定の生徒に肩入れするのは、教育者として問題となります
(実際『売り逃げ大作戦!!』でも忠夫への対応との比較で
ネタになっている。コミックス第19巻45頁参照)。
 令子は……どんな「はした金」でも絶対にそういう使い
方をしないのは第36巻『賢者の贈り物!!』を観れば明らか
です。彼女の財産は己の能力に見合った命がけの仕事の代
償であり、自負の象徴でもあるそれを廉売りするような行
為を彼女は殊更嫌悪するのでしょう。

 安易な慈善事業をした所で、結局は己の虚栄心を満たす
のみで、根本的には本人たちの為にならない……だからこ
そ、仲間たちの心からの尽力が輝くのが『極楽』の世界観
なのだと、ぼくは想います(慈善事業が悪だと謂うのでは
なく、本人の自助努力を欠いた安易さが駄目なわけで)。
 「その程度」はその程度では非いのですよ、これが。

>  まあ、最後の手段は、ブルセラショップに小鳩がパンツを売るという手ですが、これはちょっと…。

 ええ、そんな事をしたら、自分が履く分が無くなってし
まうでしょうからねえ……(無論ネタですので、「売り上
げを元手に……」とかツッコまないよーに(苦笑))。
 それこそ自助努力を奨励する世界観とは離れますし、小
鳩の人格を考慮してもそうなる可能性は薄いのでは。今ま
で通り、学校へ通えない生活に戻るだけでしょうね。


椎名作品Q&A 過去ログ / C-WWW unofficial support page