椎名作品Q&A 過去ログ

No. 79 Re^2: かわらは、こう思っていた。

Iholi : 01/04/25(Wed) 00:11

> > 美神さんは、横島と結婚するんですか?だれか教えてください。
>
> に、ついてなのだが・・・ かわらは28巻(だっけ・・・)で血清の注射を横島君にしたときに、未来の横島君も直っていたから同じ未来へ・・・。と、勝手に思っていたのだが・・・違うのか?

 先ず確認しておきたいのは、タダスケ(偽名)が競馬で当てたのも、
吐血した(笑)のも、回復できたのも、あの時点での「現代」とタダスケ
の居た「未来」との間に「因果」が存在していたからだと云う点です。
 そもそもその前提が無いと、タダスケが「未来」からわざわざやって
来た意味がありませんものね。

 次に、この『極楽』世界に於いては「タイム・パラドクス」に対する
明確な理論付けが成されていません。『ある日どこかで!!』(16,17)には
無意識の内に過去の世界(A)に遡った美神が、ヌルの不意打ちを尽く退
けてしまう場面(B)が有りますが、これとて「パラレル・ワールド」、
即ち無限に存在する未来の可能性を完全に否定する材料とは成り得ない
のです(『ある日どこかで!!』の例では上記「世界(B)」と「横島が致命
傷を負ってしまう世界(C)」も同じ時間軸上に並列して存在している可
能性は否定されていない。つまり(A')→(B)→(A)→(C)と云うのは美神
が辿った「流れ」であるが、他の者にとっては(A)→(C)のみが知覚され
ている。しかし客観的には(A)→(B)&(C)etc... と云う「分岐」が存在
するとも言える。矢印の繋がりこそが「因果」関係。プライム記号は若
干意味合いが違う事を表し、本質的には同一)。

 さてここからが本題。ここで『ストレンジャー・ザン・パラダイス!!』
に於いて、「現在の世界(a)」「タダスケの世界(b)」「未来の世界(c)」
とそれぞれ定義しますと、タダスケが辿るであろう「流れ」は上の例と
同様(a')→(b')→(a)→(b)となりますね。
 やはり客観的な「分岐」も、上の例の大文字を小文字に替えただけで
す(厳密には記号の示す概念が少しズレていますが)。つまり(a)は(b)
と(c)双方と因果が在る訳ですが、(b)と(c)は相互に全く別物の未来と
して存在する事になります。

 「タイム・パラドクス」については「次元の復元力(宇宙意志)」の概
念からも考察出来そうですが、本題から外れるので、今回はここ迄。


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