> これはこういうことだと思います。格闘・武術漫画においては「1対5と2対10は違う」の法則があります。
> 「サバイバル合コン!」の中で弓かおりが「背中が頼りになるってのは──悪くない気分ね…!」と言っています。その時、弓と雪之丞が戦っていたのは、雪ダルマです。一撃で吹っ飛ぶ弱い相手なのですが、なにしろ大勢いますから、もし一人だけなら背後に回られてしまいます。背中は死角ですから、弱い雪ダルマにもやられてしまうわけです。
> ところが、弓と雪之丞が背中合わせになっていれば、死角を補い合いますから負けなくなるのです。そこで「背中が頼りになるってのは──」という弓の台詞になるわけですよね。
> 「香港編」でも、1回目は美神一人だけで勘九郎+ゾンビ軍団4人と戦いました。背後に回られ、さすがの美神も倒されてしまったのでしょう。
> 2回目は4人で戦っています。敵の数は無数(「くそッ! キリがない!」とピートも言っています)ですが、背後にさえ回られなければ、正面からなら一撃で倒せる敵です。誰かが敵に背後に回られそうになっても、他の誰かが気付いて倒す、これを繰り返していけば、多数の敵にも勝てるのです。
> 実際、背後からではありませんが、ピートが傷の痛みでピンチになったとき、雪之丞が助けています。
> こういうわけで、仮に1回目の戦いが1対5,2回目の戦いが4対30だったとしても、1回目はボロ負け、2回目は勝利、でおかしくないのです。
メゾピアノさんが言われることはわかるんです。明快な論理的分析に感心もするんですけど、やっぱり違うと思うんです。
美神は2回戦では「どけッ! ザコども!」のひと言で、背広のゾンビを一撃でブッ飛ばしていました。鎧袖一触です。そんなにも圧倒的に強いなら、1回戦でだって、最後には負けるのだとしても、それまでに一人や二人のゾンビ軍団は倒せていたはずです。
ということは、やっぱり2回戦の美神は以前より急激に強くなっていた、と考えるしかないのです。
その理由は「金」と、勘九郎&メドーサに対する「絶対に殺す!」という怒りの思いだったのではないでしょうか。