概ねIholiさんに賛成です。
> 作中で示された令子敗北の理由としては、「さすがに多勢
> に無勢」であり、「並のゾンビと違って丈夫で動きも素早く、
> 知能も高」かった、その上勘九郎の指揮もあった、と云った
> 所が挙げられるでしょう(13巻126頁、14巻17頁参照)。
> そもそも同じゾンビ軍団相手でも、令子たちが苦戦した場
> 合とそうでない場合では味方の数も装備も異なりますので、
> 双方を単純に比較評価するのは難しいかと。例えば令子たち
> が優勢な場合は何れも仲間たちの加勢があり、更にそれまで
> のゾンビとの対戦経験やメドーサからの情報、新装備(ヌン
> チャク)などの好条件が重なっています。
細かく言うと、2回目の時もやっぱり勘九郎はその場にいましたから指揮を取っていたでしょうし、仲間たち(ピート,雪之丞,横島)の加勢があるといっても、敵も「ドロドロのゾンビ」が大勢いますから人数的にはやはりかなり不利です。新装備の神通ヌンチャクは、「威力は神通棍に劣らない」と小竜姫が言っていますから、特別勝ってもいないのでしょう(神通棍より優れた武器なら、その後も使うはず)。ゾンビとの対戦経験やメドーサからの情報で、短期間(半日くらい?)に強くなれるか…も疑問です。土角結界に閉じ込められてましたから、特訓を積んだわけでもありませんし。
これはこういうことだと思います。格闘・武術漫画においては「1対5と2対10は違う」の法則があります。
「サバイバル合コン!」の中で弓かおりが「背中が頼りになるってのは──悪くない気分ね…!」と言っています。その時、弓と雪之丞が戦っていたのは、雪ダルマです。一撃で吹っ飛ぶ弱い相手なのですが、なにしろ大勢いますから、もし一人だけなら背後に回られてしまいます。背中は死角ですから、弱い雪ダルマにもやられてしまうわけです。
ところが、弓と雪之丞が背中合わせになっていれば、死角を補い合いますから負けなくなるのです。そこで「背中が頼りになるってのは──」という弓の台詞になるわけですよね。
「香港編」でも、1回目は美神一人だけで勘九郎+ゾンビ軍団4人と戦いました。背後に回られ、さすがの美神も倒されてしまったのでしょう。
2回目は4人で戦っています。敵の数は無数(「くそッ! キリがない!」とピートも言っています)ですが、背後にさえ回られなければ、正面からなら一撃で倒せる敵です。誰かが敵に背後に回られそうになっても、他の誰かが気付いて倒す、これを繰り返していけば、多数の敵にも勝てるのです。
実際、背後からではありませんが、ピートが傷の痛みでピンチになったとき、雪之丞が助けています。
こういうわけで、仮に1回目の戦いが1対5,2回目の戦いが4対30だったとしても、1回目はボロ負け、2回目は勝利、でおかしくないのです。