> 幽霊のおキヌは、言わばユリ子のドッペルゲンガーです。ドッペルゲンガーに出会った人間は、近いうちに死ぬのですよ。
> 事実、ユリ子は死神にとりつかれ、死ぬ寸前でした。その死神は、確かに美神の機転で追い返すことができました。が、そんな無理がいつまでも続くはずがないと思いませんか?
> わずか一年後(?)、「スリーピングビューティー」の中で、東京は死津喪比女の毒花粉に被い尽くされました。重病人のユリ子が、はたしてその時毒花粉に耐えられたでしょうか。
> おそらく、そのすぐ後おキヌというドッペルゲンガーが生き返った時、ユリ子は生命力を奪われて死んだのでしょう。本体とその分身と、同時に生命を持つことは不可能であるが故に。
> ユリ子は、おキヌの黄泉返りのための生け贄とされたのですよ。
おキヌがユリ子のドッペルゲンガーというのは、面白いけどちょっと無理では?
ユリ子はまだこの世に生まれて15,6年ほどでしょう。一方、おキヌは300年も幽霊をやっています。ドッペルゲンガーは分身ですから、本体より後に存在するはずのものです。分身が本体の280年以上も前から存在しているはずがないでしょう。
おキヌは子供を産んでいないので子孫ではなく、魂の転生でもない。となると、やっぱりただの他人の空似でしょう。