U. Woodfield様、こんにちは。メゾピアノと申します。
私は前々から思っているのですが、皆さんは「幽霊おキヌちゃん」を純粋に善意のかたまり、天使のような善霊と考えすぎてはいませんか?
美神の言葉を借りると、
「あなた、おキヌちゃんのこと善意に解釈しすぎてると思うの! 言っとくけどあいつ、凶悪な悪霊よ!!」
横島との出会いの時、おキヌは横島に幻覚を見せ、落石で押し潰して殺そうとしました。さらにそのすぐ後には、「こんどはもっとストレートに死んでもらおう。えいっ! 実力行使!! 私のために死んでっ」とかいって横島の頭を岩で叩き砕こうとしました。
まさに、凶悪な悪霊以外の何者でもない行動です。
おキヌは300年も幽霊をやっていますが、横島が最初なのでしょうか。過去にこういう行為をしたことが一回もないのでしょうか。
おキヌはただの地縛霊ではなく、死津喪比女を封じるための呪的システムの一部です。だとすれば、身代わりに一人殺したとしてもそれだけで呪的システムから解き放たれるとは思えません。やはり、美神の霊力によってワンダーフォーゲル部と入れ替えられたからこそ、地縛から解き放たれたのでしょう。
とすれば、おキヌは過去に何度も、「あの人…あの人がいいわ…ようし…」とか言って、峠を通る旅人を殺し続けてきたのではないでしょうか。何人殺しても身代わりを作ることができず、「あれっ…おっかしいなぁ…」とか言いながら。
一年に一回しかやらず、数回に一回しか成功しなかったとしても、それでも100人以上も過去におキヌは殺人をしている計算になります。
生き返った後は、そんな幽霊だった頃の罪を引きずる必要はありませんから、「天使のような少女」と見てもよいでしょう。しかし幽霊だった頃のおキヌは、やっぱり悪霊でしょう。
というところから、ユリ子ちゃんも実はその犠牲になった一人なのでは? と考えたのですが、いかがでしょうか…。