始めに。免許に関する解釈は、米田さんに賛成です。
> > あのブラドー島はイタリア国内のようですので、唐巣は「除霊有資格者であるカオス」を助っ人として呼ぶことがどうしても必要だったのでしょう。
ブラドー島の領有については微妙ですね。
「ビエトロ」というのは確かにイタリア系の名前ですが、姓
との間に附いている「ド」はフランス風。ブラドーはドラキュ
ラ伯爵のモデルからとった名前でしょうが、これはスラヴ系の
名前ヴラディスラフの省略型。しかし「極楽愚連隊、西へ!!」
編にて空港で令子を出迎えた時には「セニョリータ美神!」と
スペイン調で呼んでいたり(因みにアニメ版では「シニョリー
ナ美神!」とイタリア風に変更されていた)。
……どこだ?(笑)
まあ、国民国家の概念が少しずつ芽生え始めてきたかどうか
……と云った時期からつい最近まで、人間の目から完全に隠さ
れた状態にあったのですから、すぐ上のような議論自体に余り
意味は無いのですが、一応参考までに。
因みに無免許であってもオカルトGメンなどからの仕事を請
け負っているらしい場面もいくつか散見できますので、「極楽
愚連隊、西へ!!」でも一切無免許の場合でも十分可能でしょう。
> そもそも、カオスはなんで日本に来たのか?
初登場時に本人が語っています。秘密らしいですが(笑)。
つまり、優れた霊能力を持つ若者の肉体を手に入れる為です。
この設定は最近の読み切り「GSホームズ」にも登場するので、
まず間違い無いでしょう。
さて最終回の夢?の内容からすると、現代からおよそ200
年後に成功を治めるまでに、この目的を達成した様子は有りま
せん。どうやら、不死身とは謂え老化から逃れる事のできない
我が肉体にそれなりの未練が生じたみたいです。
> 600年ぶりに会ったセイレーンから、「なんでこんな太平洋のはずれに …!?」と問われ「 … 聞くな … 」と目をうるませています。
研究資金の調達の為に海賊行為をした事もあるようですし、
「天才の孤独」はヌルが指摘した通り。なにぶんに永い人生、
色々と有ったのでしょう。
> 変ですよね。カオスは、自分の意志で日本に来たのであり、別に極貧にあえぎながら日本にいなければならない理由なんかないはずです。ヨーロッパに帰れば、ともかく有名人なんですから、それこそどこかの国のGS協会の最高名誉顧問くらいになってもおかしくありません。
> それが日本にしがみついているということは、もうヨーロッパにはいられないような何か…があったのではないでしょうか。ヨーロッパの全ての国から国外追放処分とか…。だとしたら、ヨーロッパ諸国で通用するGS資格をもし持っていたとしても、剥奪されているのでしょう。
上で言った様に、楽な事ばかりではありません。彼の倫理観
には殆ど影響は無いみたいですが、犯罪紛いの行為にも手を染
めています。そもそも最初に登場した時の彼は、とんでもない
悪党(そしてちょっとお茶目)なのですし。
彼の二つ名ある「ヨーロッパの魔王」というのは、錬金術や
魔術を志す者にとっては畏敬の念の篭った物となるかもしれま
せんが、そうでない者には恐怖と嫌悪の対象となった事でしょ
う。何故ならキリスト教社会でいう魔王とは、神の敵対者サー
ターンに他ならないからです。
とはいえそれは全盛期のカオスの話、今となってはもう昔。
そんな過去の悪行はここ100年間の雲隠れの間にもとっくに
時効になっているでしょうし、欧州を追放になっていたとして
もそんな人物のGS免許取得試験受験を日本GS協会が認める
とは考えられないし、ICPO超常対策課(オカルトGメン)
が仕事を頼むはずはありません。
よってドクター・カオスが日本に滞在し続けるのは他の理由
が有るのです。まず第1に経済的な理由……マリアの維持や補
修だけで家賃の支払いがエンドレスですし(苦笑)。セイレー
ンに対し言い淀んだのは主にこの点でしょう。第2に、わざわ
ざ欧州に帰る理由が今の彼には無さそうな事……マリアという
超技術の結晶が今だに健在だとは謂え、欧州の魔王と呼ばれて
いた栄光は既に過去の物。そして第3には、今の居場所をそれ
なりに気に入っている様に見える事……日本は治安が比較的安
定していますし、近所に世界有数のGSが揃っていると云う凄
まじい霊的環境でもあり、長生き老人とてそう簡単には退屈は
しないでしょう。