椎名作品Q&A 過去ログ

No. 654 Re^3: GS達は元始風水盤の針をなんで壊してしまわなかったの?

Iholi : 04/01/09(Fri) 21:39

>  まず吸血鬼ブラドー事件「ある日どこかで」,妖刀辻斬り事件「バトル・ウィズ・ウルブス」,死津喪比女事件「スリーティング・ビューティー」,さらには魔物三人娘事件やアシュタロス事件など,いずれも、レギュラーのGS達には最初から全員に呼集がかけられています。 まあ、結局は活躍するのは美神と横島だけということも多いのですが、ともかくレギュラー陣が最初から無視されることだけはありません。

 ひとつ突っ込むとすれば……「ある日どこかで」ではなく、
「極楽愚連隊、西へ!!」編ですね。ここでの「最初から」と云
うのは「事件が世界的もしくは地域的事件として認知された、
その最初から」の意味ですよね。

>  ところが、「香港編」ではどうでしょう。最初は、小竜姫が雪之丞に「勘九郎の行動の調査」、さらに「元始風水盤の針の奪取」を依頼したところから事件は始まります。 元始風水盤が作動すれば、香港が、さらには全世界が魔界に変わってしまうのです。危険度はコスモプロセッサに匹敵します。世界が破滅する危機ではありませんか。
>  だったら、小竜姫がやるべきことは、レギュラーメンバー全員に呼集をかけ、総力戦で敵のアジトに攻めていくことです。そして元始風水盤を破壊、もしくは風水盤のあるアジトを占拠してしまうべきです。小竜姫には金はあるのですから、エミやカオスを最初から雇うことなど簡単なはずです。なんなら、猿神・斉天大聖や、天龍童子,竜神王にお出ましを願ってもよいでしょう。それなのに、小竜姫がやったことは雪之丞一人への依頼、正式のGSではなく裏社会の人間に依頼しただけなのはなぜなんでしょう。雪之丞の土地カン? それだけかなあ … 。

 「神族からの依頼」は「プリンス・オブ・ドラゴン!!」編
(7巻)、「誰が為に鐘は鳴る!!」編(9〜11巻)、「香港編」
(13〜14巻)、「私を月まで連れてって!!」編(22巻)の4つ
ですが……実は、そのいずれも個人に対する依頼なのです。中
には結果的に全員集合となってしまった物もありますが。
 そして、先に鰻田さんが指摘なさった重大事件は全て、人間
側の組織なり個人なりが召集した場合であり、GS主要メンバ
が全員集合するのも当然の事です。

 それでは何故、神族は個人単位で人間に依頼をし、作戦行動
の殆どを人間に委ねるのでしょうか?
 一番大きな理由は、余りに大がかりな依頼は、神界から人間
界への過剰な干渉へと発展しかねないからでしょう。神と魔の
対立は依然続いています。こちら側からの積極的な行動は、あ
ちら側の反応を誘発してしまいます。「今、そこにある危機!!」
編や「私を月まで〜」編では、その部分が強調されていました。
聖書級大崩壊を防ぐ為にも、最低限の接触が求められるのです。
 第二に、これらの事件が起こっているのは人間の世界なので、
なるべく人間だけで解決するべきとの立場があるからです。形
の上では「魔族側の行動に対する神族側の反応」ですが、それ
は同時に「魔族側に依る人間界への侵略行動に対する、神族側
の人間側への支援」でもあります。勿論依頼と云う形を取る以
上は神族側の潜在的な負い目(魔族と表裏一体の関係にある事
の裏返し)もあるのでしょうが、基本的には人間界の自立を求
めている物と考えられます。それが顕著に出たのがアシュタロ
ス編でしょう。神魔の対立はともかく、人間(GS)がしっか
りしなくては今の人間界は滅亡してしまうのですから。

 魔族側もそうですが、神族側が人間界で行動する時は基本的
に隠密行動なのですよ、実は……令子たちの派手な行動につら
れて勘違いしがちですが。初めて表だった対立を見せたのはア
シュ編だけであり、この時には世界中の神族側の拠点を破壊さ
れた事への報復という大義がありました。仮に元始風水盤が作
動し、世界全体の霊的秩序が魔族側の勝手になった場合、どう
なるか……それは神族側の人間界介入を招き、やがて全面戦争
に発展するでしょう。ピートが危惧したのとは違う形で聖書級
大崩壊が発生するのです。神族側としてはなるべく避けたい事
態でしょうが、神界や魔界を含めた全宇宙を置き換える宇宙処
理装置の想定され得る最大の被害に比べれば、まだまだ小さい
ものでしょうので、この両者を単純に同等視するのは早計かと。


椎名作品Q&A 過去ログ / C-WWW unofficial support page