> しかしそうなると、大問題があります。浄土宗,浄土真宗の教義からすると、この世に「悪霊」なんてものが存在するはずがないのです。
> 阿弥陀如来は、「全ての衆生を分け隔てなく救う」という本願を立てて如来(仏)になったのです。全ての人間は死後、阿弥陀如来によって極楽浄土に迎えられ、修行を積んで仏になれるはずなのです。
> ところが、現世に悪霊がウジャウジャいて、人間の力を借りなければ極楽に行けない、ということになれば、阿弥陀如来の本願というのは嘘だった(!)ということになってしまいます。いいのだろうか … 。
阿弥陀如来の本願なんて、政治家の選挙公約みたいなモンでしょう。「全ての衆生が分け隔てなく救われるような仏国土を造ります」ということであって、阿弥陀さまもまだ実現に向かって鋭意努力中なのではないでしょうか。
それに、美神のような優秀なゴーストスイーパーを多く養成し、迷っている悪霊を成仏(正確には、浄土宗では極楽往生と言います)させるというのは、本願実現のための阿弥陀さまの“政策”なのでは?
ということは、妙神山の修行場は、実は阿弥陀さまが作ったのでは? 管理する小竜姫がよく「仏道」とか「仏罰」とか言いますが、ただ漠然とした仏教のことではなく、阿弥陀如来を指しているのでは?
> まあそもそも、極楽浄土の存在を信じている人が、「現世利益第一優先!」でいいのか? という問題がありますけどね。
母親の美智恵の言葉によると、美神令子が死ぬと「輪廻転生」するそうです。美神も納得しています。ということは、極楽の存在を信じていない(または自分は極楽に行けないと思っている)ということになります。極楽浄土に行くことができれば、仏になりますからもう輪廻転生はしません。
なお、現世利益は、作品では「げんせりえき」とルビが振られていますが、仏教用語では「げんぜりやく」です。