少々、補足をば。
> そしてついに『賢者の贈り物!!』(36巻)では笛を駆使
> した説得にすら失敗し、結局お札を使ってしまいます。
「美神さんによると破魔札はダイナマイトみたいなもんらし
い。/少量の霊力で封印されてるパワーを起爆させるわけだ。
/もちろん力の強い人間が使えば威力は倍増するけど、/並の
人間でもそこそこの威力は確実に出る!」(11巻142頁)
『賢者の〜』でキヌが使っているのは吸印札ですが、恐らく
基本的な作動原理は破魔札と大差無いでしょう。どちらも値段
で威力が変わるみたいですし。
> 勿論、この
> 戦闘は霊能力を駆使した戦闘の事であるので、肉体的に心配の
> 多いキヌが必ずしも資格試験で不利を被る事を意味するのでは
> ありません(『バッド〜』『賢者〜』での苦戦は、寧ろ自身を
> 主体とした実戦の経験が不足していた所が大でしょう)。
『マジカル・ミステリー・ツアー!!』ではキヌの幽体がロボ
ット令子にとりつき、悪魔ミストラルのロボットを神通コンで
倒しています(39巻40〜41頁)。よって、キヌだってその気
になればこうした得物もそれなりに扱えるみたいです(一撃で
片が付いたのは、単に悪魔ロボットの本体が低級霊だったから
でもあるでしょう)。
> ゴーストスイーパ
> ーについて令子は「現代社会の基盤はあくまで科学よ。/幽霊
> や妖怪ってのは今の科学じゃ定義するのが難しいわ。/何だか
> わからないモノを退治するために何だかわからない能力を持っ
> た人間が必要なわけね。」(9巻159頁)と評しています。
(中略)
> 科学でも定義しきれない実在を法が定義
> できているとはどうも考え難いです。
『暗殺のソロ!!』編には「オカルト犯罪防止法」なる物が登
場します(27巻122頁、しつこいが本来ICPOに捜査権や逮
捕権は無い)が、実は『誰が為に鐘は鳴る!!』編よりも更に前、
『受験生ブルース!!』で厄珍が「オカルトによる不正入学」に
関連して捕まっていますが(8巻40頁)……残念ながら?正
確な容疑は不明です。
それより随分後の『フォクシー・ガール!!』編では警察が心
霊捜査の導入に二の足を踏んでいる(37巻5〜6頁)一方で、
呪術師・小笠原エミが御用達になっていたりと、オカルトに対
する姿勢は随分と揺れているようにも見えます。しかし、総じ
て深刻な事件でもオカルト絡みで警察が出動する描写は少ない
ので、全体にオカルトに対して消極的な印象があります。
それに対し、政府機関は幾らか積極的です。まず『暗殺のソ
ロ!!』編でのザンス国王や精励獣への対応は柔軟です。アシュ
タロス編ではICPOと並んでアシュ撃退の全権を美智恵に委
任していますし(30巻76頁)、都庁の地下に霊的な施設を建
造していたりも(同32〜34頁)。『フォクシー・ガール!!』編
では九尾の妖狐を徹底排除すべく自衛隊まで出動させています
(36巻61〜63頁)。
また『ストレンジャー・ザン・パラダイス!!』編では10年後
の忠夫が「対心霊現象特殊作業免許証」を所持しています。説
明書きに「日本国内での営利除霊作業を許可する」とあり、日
本GS協会が認定する特命基準を定めているのは内閣総理大臣
です。この「心霊現象特殊作業資格」が現代の「ゴーストスイ
ーパー資格」と完全に同等か否かは不明ですが……(28巻)。
まあ、少なくとも世間一般に於いては、オカルトは非常に広
く認知されている事は確かでしょう。それに対し取り締まる公
安と、民意を反映する政府の、立場と思惑の違いが表れている
のだ、とも見る事もできるでしょう(アシュ編では「世界GS
本部」(GS協会との関係は如何に?)が絡んできて更に面倒)。
したがって、オカルトに対して法が整備されているかどうか
について、「一部では整備されている=部分的に肯定」と云う
結論に変更します。
> よってそれに関する筆記試験は有ったか
> も知れない……が、先述の「研修」と同様、ドラマの上からは
> あっさり省かれてしまった、と云った所でしょうか。
鰻田さんへの回答として一番の結論は、実はここです。
いずれにしても、あくまで想像に過ぎないのですが……。