> ありがとうございました。なるほど、794年から4,500年飛んだとすると、1194年〜1294年の間。
一応補足させて頂きますと、「デッド・ゾーン!!(その2)」
(22巻42頁)冒頭にある通り、この挿話の舞台は「菅原道真
が(中略)前年に追放された九州の地で亡くなった」とわざわ
ざ断りのある西暦904年(延喜4年)と考えるのが自然でしょ
うね。
とは云えご指摘通り、ヒャクメ情報には不安も伴いますので
(笑)、……
> この間に、世界史的に「魔王」と呼ばれておかしくない人物といえば、1206年に即位した蒙古帝国皇帝、チンギス・ハーンでしょう。
> あるいは、アシュタロスが日本を征服の標的とすることにこだわっていたとすれば、1274年の文永の役,1281年の弘安の役,いわゆる「蒙古襲来」がアシュタロスの仕業とも考えられるでしょう。
>
> チンギス・ハーン本人がアシュタロスでなくとも、魔力で助け、背後から操ったのがアシュタロスでは。あるいは、同じく皇帝フビライもまたアシュタロスの傀儡だったのでは。
> すると、この時にも「悪魔」と「ゴーストスイーパー」の激しい戦いがあったのでは。いわゆる「神風」を吹かせたのは、北条時宗を助けた鎌倉時代のゴーストスイーパー達だったのでは。
……と云うのも、お話の筋としては考えられなくもないです。
ただし……民族ネタや宗教ネタはマンガ的には厳しいでしょ
うね。例えばチンギス・ハーンは生存中から伝説となり、今日
でも崇敬を集める民族的英雄ですし(『Mr. ジパング』の最後
のオチは巧妙に明言を避けています)、「Re^3」最後の行も、
特定宗派の方には侮辱と響くでしょう(同じく、比叡山ネタは
平行宇宙的世界観と架空人物で回避)。
現存する民族的・宗教的な事物に関する話題は「『道真や信
長が魔族の手先』なる旨が道真や信長の愛好者の気分を害する」
と云った話とは異なる次元の問題ですので、その扱いには慎重
を期したい所。
……案外、アシュ一味が単純な武器供給による争乱の誘発を
避けてわざわざ人造兵鬼に拘ったのも、幻想性や創作性を強調
して現実的な歴史的事象に深入りするのを避けた結果、なのか
も知れません。
まあそれはそうと(笑)、以降は四方山話。
・「デッド・ゾーン!!」からちょうど250年後の久寿元年(西
暦1154年)にタマモの前身である玉藻前が現れた。この頃の
道真は正一位太政大臣、天皇の家臣として最高位にある。膝
元の天満宮は広大な荘園を持ち、他の寺社と権勢を争った。
天満宮に多大な荘園を寄進し太宰府高官を一派で固めた平清
盛が福原遷都を行ったのは26年後の治承[じしょう]4年(11
80)、その太宰府に落ち延びた平氏の武士たちが宴席で童子
(道真の化身)と遭遇した(『源平盛衰記』より)のは寿永
2年(1183)、しかしその霊験薄く壇ノ浦で掃滅したのは2
年後の元暦[げんりゃく]2年(1185)。
・元による2度の襲来の時に最前列で幕府勝利を祈願していた
太宰府天満宮は、その祈祷の効果を認められて幕府から土地
を寄進された。因みに道真の神号、つまり神様としての名前
は「天満大自在天神」。「大自在天」とはヒンドゥーの主神
シヴァの仏教での呼称の一つであり、欲界(人間界を含む)
の最上部を治め、仏法を侵す悪鬼らを使役する「第六天魔王」
(の一人)の事。信長だけでなく七福神の大黒とも繋がる。
・劇場アニメ『GS美神』の小説版(松井亜弥/スーパークエ
スト文庫)では悪霊ばらい師・明智光秀が乃蘇腐衣羅闘[ノ
スフェラトウ]の名を聞き興奮状態に陥ったピートを「ボル
テ・チノ」と評する。ボルテ・チノとは謂わゆる「蒼き狼」
(蒼いと云っても実際には暗い青灰地に黒や白の細かい斑が
入ったものを表す。逆に日本語のアヲは、明るい所は黄緑ま
で実に幅広い色を表現できる、とも謂える)の事であり、つ
まりがチンギス・ハーンの祖先である偉大な狼を指すモンゴ
ル語らしい。作中では人狼や狼男の呼称として登場するが、
これは吸血鬼の本場であるスラヴの伝説では吸血鬼も狼男も
夢魔も空飛ぶ怪物も厳密な区別がなされていない事を踏まえ
ての事だろうか。