椎名作品Q&A 過去ログ

No. 521 Re^4: 未来は.......

Iholi : 03/10/05(Sun) 16:18

> > タダスケはもともと美神の体を蝕む毒を除去する為に来たのだから、血清をうった現在の美神とタダスケの世界の美神との接点はそこで消えてしまったのでは。

> それで、過去の改竄に成功した場合、
>  1.「美神が妖毒に冒されなかった平行世界」ができるだけで、タダスケの世界の美神には影響が無い。
>  2.未来の美神の妖毒はタダスケの時間移動後に消滅。
> 等が考えられます。

> 不確定な事柄については、完璧な予知ができないのです(A)。

> 勿論、伝承は真実であり解放時には全ての未来を見通せるようになるとしても一向に構いません(B)。
>
> 1とAを組合せれば「未来は決まっていない(一部例外あり)」となります。
> 2とBを組合せれば「未来は決まっている」となります。

 前々回の dry さんの仮定の一部にあった
>>> 時間移動能力者の行動もラプラスの予言(の影響)も、歴史の流れに織り込み済みである。
……を考慮すれば、以下の様な仮説も可能かと。

 まずタダスケ(仮名)が時間移動してくる。この移動によって
平成9年の世界(P)は「タダスケが来た世界(p)」と「タダ
スケが来なかった世界(p’)」に分岐、平行世界として併存す
る事となる。その結果か若しくは2度目の時間移動の影響により、
十年後の世界(F)も「令子が健康な世界(f)」と「令子が瀕
死の世界(f’)」に分岐、やはり平行世界として併存するよう
になる。

 ……解説が必要ですね?(苦笑)
 つまり時間(軸)は「P⇒F」と云う方向、つまり過去から未
来へと進んでいます。対して登場人物が普通に知覚できるのは、
その時間につれて変化する「世界」です。なお平行世界同士は基
本的に独立(互いに影響したり干渉しあう事の無い)しています。
 ここで平成9年の忠夫たちが体験する世界を考えましょう。ま
ずタダスケが登場し(p)、その後の騒動を経て結局令子は毒の
影響から逃れられました(f)。
 一方タダスケが体験した世界とは……過去の世界で令子が知ら
ず毒に冒された(p’)為、未来の彼女は死の床に(f’)。そ
れを解決する為にタダスケは時間移動をして、遂に目的を果たし
ます(p)。そして再び未来へと帰るタダスケに、過去の令子は
血清を託します。それは今の令子とタダスケが帰る未来の彼女が
連続していない、つまり「f' not f」である虞れが有ったから
です。(以上、28巻参照)
 「⇒」を自然な時間の流れ、「→」を時間移動として図にする
と(旨く出るかどうかですが)、タダスケが巡った「歴史の流れ」
は以下の様になります。

時間  : P ⇒ F
タダスケ: p’⇒ f’
          ↓
      ←←←←←
      ↓
      p →f’/f?
忠夫たち: p ⇒ f

 これで因果律は一応保たれますが、dry さんの仮説と違って平
行世界の存在をほぼ全面肯定しなくては成り立ちません。
 若しくはラプラスの予知能力をこの「(自分をも含めた)歴史
の流れ」を読む能力と解釈する事もできるかも(シュレーディン
ガの猫に箱の仕組みと自分の身の程を正しく理解する知性があれ
ば、彼(女)は箱の中の未来をある程度予測できる筈。更に「ラ
プラスの悪魔」の様に量子ひとつひとつの挙動を知る事ができる
のならば、完全にその未来を知る事ができる……ただしその爪で
は箱を破る事はできないのだが)。

> このように、誰の言葉に重きを置くか、どの説を採るか、それらをどう組合せるかで解釈は変わってきます。
> 未来が決まっているかどうかは、私には「お好きな方を選んで下さい」としか言えません。

 ま、結局そうなんですけどね(苦笑)。


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