> 「主役」と「主人公」は違うのです。
> 主役は、その物語において最もスポットライトが当っているキャラ。
> 主人公は、その人物の行動や発言によって、物語が進んでいく、つまりストーリー進行の中心的存在のキャラ。
> 題名は普通は「主役」にちなんだ名前になります。
> 例えば、「ゴジラ」という映画で主役はゴジラです。しかし主人公は決してゴジラではありません。第一作のゴジラで言えば、主人公は芹沢博士でしょう。
> つまり、主役は美神,主人公は横島,です。
上の「主役」と「主人公」の定義は、演劇や創作などでは一般的な
内容なのでしょうか? もし出典等が有りましたなら教えて下さい。
一応、辞書的には大体以下の様になります(参考:『三省堂国語辞
典』、同『エクシード英和辞典』)。
http://www.goo.ne.jp
・主人公……物語などの中心人物(protagonist, hero/heroine)
・主役……主人公を演じる役[役者](leading part [actor])
まあ言葉面の問題はさておき……杉山さんのご意見から判ったのは、
一口に「最も重要な登場人物」と云っても見方によって色々な場合が
想定できる事です。つまり、どんなキャラをして主人公(もしくは主
役)と考えるべきかが問題。
さて、杉山さん曰くの定義(鈎括弧付きで示す)に従った場合……
元々オムニバス構成を基本とする『極楽』は各話で「主役」も「主人
公」も異なるのですが、物語全体を通して考えた場合、最終回3部作
を尊重して「主役」及び「主人公」は美神・横島・キヌの3人である
とするのが妥当でしょう。
美神は物語の大筋の事件にただ巻き込まれるばかりではなく、その
運命に自身の力で積極的に立ち向かっていたので「主人公」としての
資格も存分にあるでしょう。
また定義から「主人公」は「主役」にも成り得るので、横島もOK。
キヌは『極楽』初期の「死んでも生きられる」路線の体現者であり
ながらも、徐々に「生きている事は素晴らしい」路線へと物語の傾向
を移行させて、後のアシュ編の精神的支柱を築いた意味では「主人公」
としての責務を全うしているのではないでしょうか。しかし復活後の
展開で「主役」としての立場が却って薄れてしまったのは皮肉です。
そして何より残念だったのは、アシュ編終了と処理の歯切れの悪さ
が彼らから「主役」「主人公」としての魅力を大幅に削いでしまった
事ですね。物語の大義を失い、除霊に伴う筈の緊迫感を失い、そして
3者の恋愛関係の話題は殆どタブーとなったのですから。まあこの辺
りの初期路線に近い作風も嫌いではないのですが、ね。