> で、本題。いったい何の武道なのでしょう? 誰に教わったの?
> 唐巣先生はカトリックの神父ですから、日本武道なんか知っているとは思えません。
> また町道場に通っていたとすると、極貧なのに月謝が払えていたの?
> 何の目的で武道なんかを? 除霊の役に立つの?
何という武道か? は後回しにして、まず何の目的で武道をやるのか?
精神力を鍛え、向上させることは、そのまま霊力の向上と同義でしょう。邪悪な吸血鬼の息子であるピートは、邪心を抑え込む為にも、より一層強い精神力の鍛練を必要としたのでしょう。
もちろん、カトリックの修道院で修行したっていいんでしょうけれど、師匠の唐巣神父はカトリック教会から破門の身。しかも「吸血鬼」を受け入れてくれる修道院というものもなかなか見つからないはずです。
ヨーロッパ人であるピートがなぜ日本に来たのか。唐巣神父との縁、がもちろん大きいでしょうけれど、それと共に「東洋の神秘の国」日本に対するあこがれもあったのではないでしょうか。
“修行好き”のピートはおそらく、禅寺で座禅をしたり、山に篭って滝に打たれたりといった修行もしたかったはずです。しかし、唐巣神父の助手兼弟子として教会に住まわせてもらっているのに、禅宗や山岳修験道の修行をする訳には、さすがにいかないでしょう。キリスト教は一神教ですから。
そこで、武道の修行をしようと思ったのですよ。武術を身に付けることによって、厳しい自己抑制に生きるサムライの精神を学ぼうと考えたのでしょう。
除霊の役に立つかどうかですが、日本では古来より「弓鳴り」が魔を祓ったり、神剣・霊剣が悪霊を斬ったり、という伝説はよくあります。また武者修行中の侍が、妖怪を退治する(岩見重太郎のヒヒ退治など)という話もよくあります。まあもっとも、素手の体術で悪霊を祓う、という話はあまり聞きません。力士の四股が地中の邪霊を踏み鎮める行為だとか、手刀を切るのは邪を払うためだとかは聞きますが、その程度です。
しかし、「極楽ワールド」の中では横島の父親・大樹が「オラオラオラオラ」とか言いながら素手の拳の突きで悪霊を叩きのめしていますから、体術で悪霊と戦うことも充分に可能なのでしょう。(おキヌも、「す、すごいせーしんりょく!!」と言っています)
極貧なのに町道場の月謝が払えていたのか? ですが、これはピートは高校生ですから、学校のクラブ活動で教えてもらっているのでしょう。
何の武道なのか? はまた後ほど。