三邦人解放さん、龍崎さん、Iholiさん、いつもお世話になります。
弓といいおキヌといい、独自の除霊術しか使わないのはなぜか?
これは、将棋や囲碁の「奨励会」と同じだと考えていいでしょう。
奨励会に入ってくる人間は、将棋や囲碁ですでに天才的な素質があり、一流の実力を身に付け、独自の得意戦法などもすでに身に付けた者ばかりなのです。たとえ小学生であってもです。
奨励会に入っても、何も教えてはくれません。師事した師匠だって同じです。まあ、一門の先輩棋士や将士は教えてくれることもありますが、基本的には自分で自分の力を磨くしかありません。
六道女学院霊能科、も同じでしょう。霊能科に入学してくる生徒に、「霊能力だけは強いが、除霊技術は何も知らない」なんて生徒はいないのですよ。どの生徒もみんな、独特の除霊技術を修得した天才ばかりなのです。
ただ、基本が身に付いていない者(おキヌがそう)、我流の技術しかない者(ケンカ戦法しかない一文字魔理がそう)、技術の幅が狭い者(水中では戦えないとか)はいます。そのままでは伸びないので、鬼道先生がそこはしっかりと基礎を教えてあげているのです。
また霊能者には、それしか能が無く社会的常識が無い者もいるので、高校生としての普通の学力を身に付けさせる為に、英語や数学も教えているのでしょう(そうでないと高等学校として文部科学省に認可されないでしょうし)。
六道流除霊術とは何か? それは、なんにも考えないで式神を出して、あとは「バサラちゃ〜ん、お願いィッ」とか言って耳を押さえて眼をつむっていることです。それでも悪霊に襲われたら、「きゃーーッッッ」とか言ってプッツンすれば、いつのまにか悪霊は消滅しています。まあ、周囲の建物も消失し、人間は瀕死の状態になっていますが……。
こんなことが、他人に教えられるはずがないでしょう。つまり、「六道流除霊術」を教える学校ではないのです。
そして重要なのは、囲碁や将棋の才能と違い、霊能力は犯罪に使えば使えるということです。そうなれば大変なことになります。
つまり、「六道女学院霊能科」は飽くまでも、異常な天才少女達を集めて道を誤らないように上手に導いてあげる(ある意味、監視する)為の学校であり、除霊術を教える為の学校ではないということです。
そうです。「絶対可憐チルドレン」と似たような機関なのです。