解放さん、毎度(笑)です。
> 美神令子が急に思いついて東都大に電話をかけたように、公彦は非常に頻繁に南米などのジャングルにフィールドワークに出かけるにしても、通常は日本にいて生活し、大学にも通勤しているようです。
> 娘とたまに会うことすら避けている人が、大勢の学生に囲まれて講義ができるのでしょうか?
> キャンパス内を歩くだけでも、学生達の思考が次々流れ込んできて、苦痛ではないのでしょうか。
> また、動物行動学という学問を私は詳しくは知りませんが、やはり多くの研究者仲間や、大学院生などといっしょに行なうものではないでしょうか。論文を読んで意見交換、だけならば、インターネットでもできますが、フィールドワークはやっぱり屋外で、院生達などと和気藹々、会話しながら行なうものではないでしょうか。その際、炎天下であれば金属製の仮面なんか被っていられるのでしょうか。
美神教授の日常生活は殆ど作中で語られていない部分で
すので、以下は飽くまで推測になります。
まず、例えば『GS美神 '78!!(その9)』では普通に
旅客飛行機に乗っている模様です(コミックス38巻参照)
ので、人前に出る場合には最低限あの仮面を被っていると
予想されます。78年当時の仮面の仕様では「(精神感応が)
かすかにもれてしま」(37巻104頁)いますが、それか
ら20年は経過した現代では多少は改良が施されていても可
いでしょう。まあ、いずれにせよ炎天下だろうが食事中だ
ろうが、必要な時には仮面を被らざるを得ないでしょう。
何しろ他に手が無いのですから仕方が有りません(ひょっ
としたら『マジカル・ミステリー・ツアー』に登場した、
霊力を吸収する結界を応用して能力を無力化できるかも知
れませんが、検証は不可能です)。
また、大学内に自分の研究室を持ち且つ助手もいる以上
は研究室の学生たちや同僚たちとの付き合い、講義の受け
持ちなども当然予想される所です。しかし、公彦にやむに
やまれぬ事情がある以上、無用な接触は極力断とうとする
でしょう。理系の教授と云うのは普段は大抵学生の監督の
大部分を助手や大学院生に任せて、自身の研究に打ち込む
ものです。勿論、完全に付き合いを避ける訳にはいかない
でしょうので、その時には仮面を着けて頑張っているので
しょう……公彦一人が我慢すれば宜い話ですし、相手に対
しても仮面を被る事情を明かさなければ無用な不安を与え
る事も有りません。
それに、彼の特殊能力は学生時代から大いに研究に役立っ
ているようですし(37巻140頁参照)、それで優秀な研
究の成果[論文]を数多上げる事ができれば大学としても
彼を手放すような真似はなかなかできないでしょう。教授
間の派閥争いにしても、本人としては不本意でしょうが、
いざとなればその特技が大きな武器となることでしょう。
まあ、色々と不便は多いでしょうが、いわば霊的障害者
である公彦が社会人として他者との関わりの中で暮らして
いく以上、困難を巻完全に排除する事は不可能です。公彦
が家族との別居を選んだのは、通常の生活に依り生じる困
難(不特定の心が読める)を可能なだけ回避し、更にその
累を家族に及ぼさない為だった、と云うのがぼくの持論な
のですが、どうでしょう。
> ここで問題なのは、美神公彦教授の助手である女性、松井さんです。
> 電話で松井さんと会話しているとき、美神は非常にトゲトゲした感じでした。
> 父親との関係が複雑…とも考えられますが、むしろ松井さんに複雑な感情を抱いているのでは?
> 美人助手・松井さんは、美神教授の傍にいて平気なのでしょうか。
> 彼女もテレパスで、美神教授の能力をブロックできる…のかもしれません。
> しかし令子は、もしやこう疑っているのでは?
> 「もしやあの女、親父に心を読まれてもかまわない関係…身も心も許しあった仲なのでは…? ママが死んだ時も、親父は南米にいて葬式にも帰ってこなかった。
もしや、ママが生きてるころからあの女と…?」
ま、葬式に帰ってこなかったどうかはともかく。
ちなみにこの松井さん、小説版の著者にしてアニメ版の
構成・脚本担当の松井亜弥氏がモデルです。
その小説版の方で、名前は出てこないものの令子より七
八歳年上の助手が公彦と共に写真に写っており、令子は彼
女が父に気があると看破した上でこう考察します。
でもねー、あの学者バカに惚れるなんて、哀れだわ。
きっとあの人は彼女の気持ちに気付きすらしないだろう。
(『水迷宮の少女!!(前編)』39頁参照)
恐らく、この頃には公彦が精神感応能力者と云う設定は
できあがっていなかったのではないかと想われます(作中
に精神感応に関する情報が一切出てこない)し、彼女が松
井助手と同一人物であるかどうかも不明です。
しかし、公彦が能力者である設定を踏まえて上の文章を
みると、また違った趣が出てきます。助手の女性が対精神
感応能力者であったにせよ、公彦が研究にゾッコンで傍ら
の女性の心情にかかずらう余地が無かった(作中で令子は
8年前にそう云う想いを経験している)にせよ、公彦は娘
にこうも評されています。
長い間、美神と公彦との関係は没交渉、非干渉で成り
立ってきた。今さら公彦に恋人ができた―――九九パー
セントはありえないだろうが―――からといって、非行
に走るような年でもなければ、純粋でもない。
(同、38頁参照)
全然心配されていません(笑)。これは亡くなった奥様
(当時)に対する愛情云々と云うより、仕事バカで甲斐性
も暇も無いと令子が判断したからでしょう(小説ではそう
云う人物として、令子の視点から描かれています)。
『母からの伝言!!(その2)』にて「トゲトゲし」いと
忠夫たちが指摘したのは電話が松井助手に代わる前です。
したがって助手自身はその辺とは余り関係無く、単に父親
への複雑な感情の問題だと想うのですが、いかがでしょう。
(以下余談。年齢差について。
『水迷宮〜』では令子と忠夫の年齢差は3学年分。因っ
て『愛に時間を!!』での忠夫の認識が正しければ令子は
高校1年生。千穂が同学年であるならば令子は彼女にとっ
て習い事か何かのセンパイとなるが、令子たちの通う女
学校が中高一貫教育制である場合には千穂が中等部の3
年生である可能性もある。転校が多い忠夫の中一との認
識が誤っていた場合、その限りでは非い。)