TITLE:第25巻わたしを月まで連れてって!!その9ラストシーン(補足)
DATE, TIME:1997/01/19 3:50:33
Name:SINJIRO

すでに「あむと」さんや「八戸」さんが触れられていらっしゃいますが、
補足させていただきます。(御二人ともごめんなさいね。どうしても
これだけはやりたくて。(笑))

石の森章太郎 作「サイボーグ009」
(地下帝国ヨミ編)

ラストで、宇宙に逃れたブラックゴーストの首領たちを乗せた魔神像
を破壊するために、001により、体内にテレポートされた009は
首尾良く破壊に成功したものの、宇宙に放り出される。救出に向かっ
た002も燃料を使い果たし、二人は、抱き合ったまま、大気圏に突
入する。「君一人だけでも」とか「死ぬ時は一緒だ」とかその後に多
大な影響を及ぼした名台詞の宝庫でもある。炎に包まれて、抱き合っ
たまま「ジョウ、君はどこに落ちたい?」というジェットは、確かに
危ない。(しかし、読み返すと、やっぱり感動してしまうのだ。)

その流れ星を見て、姉と弟が、「世界が平和になりますように」と
願いをかける。

作者は、ここで終わらせるつもりだったそうだが、読者の抗議が殺到
して、「二人は、燃え尽きる寸前に、001によりテレポートされ、
一命を取り留めた」、という事で、シリーズは再開された。97年1
月現在、まだ未完である。
(う〜ん、やっぱり、あそこで燃え尽きなかったのがその後の不完全
燃焼に繋がったのかも・・・)

なお、このシーンにもまた、元ネタが有る。
レイ・ブラッッドベリの「万華鏡」というSF短編がそうだ。
事故により、宇宙空間に放り出された乗組員たちは、バラバラに漂流
していく。無線による会話で互いの存在を確認するが、パニックにな
るもの、いがみ合うもの、人生を振り返るもの。やがて、一人、また
一人と、別れの挨拶を交わし、無線が途絶えていく。そして主人公は、
地球へと落ちていく。「ああ、誰か俺を見ていてくれるだろうか」と
思いながら。イリノイ州で、夜道を歩いていた母と少年が、流れ星に
願いをかける、というストーリー。題名は、流星群に突入した乗組員
が「ああ、まるで、万華鏡のようだ。」という台詞から来ている。
この前半の所は、手塚治虫作「火の鳥・宇宙編」でも使われている。
(脱出ポッドのくだりは、これが元ネタだと思う。)

ところで、願いをかける人物だが、石の森章太郎氏の姉想いは有名で
ある。そして、ブラッドベリはイリノイ州の生まれである。と、いう
事は、大阪で流れ星を見ていた雪之丞が椎名氏の分身だろーか?(笑)

PS:元ネタに興味を持った方。ぜひ原典を読んでくださいね。
椎名先生は、GS美神に引用する事で、読者の世界が広がる事を願って
いるのかもしれません。今回、特にそう思いました。その為にも元ネタ
を書く方は、なるべく原典を詳しく書くようにしませんか?
原典を読んで(観て)みようかな、という人の参考になるように。

しかし、おお!これ知っている!!と思って、焦って書き込んだのは
わたしです(^^;。
だから、思い付いた時が、書き込みどき!あとは、補足という事で。
皆さん、どんどん書き込みましょうね(笑)


Forward - 次のアーティクルを読む
Back - 前のアーティクルを読む
Title - タイトルに戻る