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ガロア理論 数学

ガロア群が可解である方程式の解き方・その1

\(\newcommand{\Q}{\mathbb{Q}}\)
前回、重解を持たない \(n\) 次方程式では、整数係数であれば \(n \geqq 5\) であっても解の置換群としての Galois 群が求められることを説明した。それだけでなく、\(\Q\) 上の原始元 \(V\) の最小多項式の具体的な表式と、\(V\) の多項式で各解を表す具体的な表式も求めることができた。

今回は、そのことを利用して、前回最後に書いた通り、「求まった Galois 群が可解群だったら、実際にその解をべき根で具体的に表す表式を求めることも(原理的には)可能」ということを説明する。

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方程式のガロア群の求め方

\(\newcommand{\Q}{\mathbb{Q}}\)
先月の終わりから今月始めにかけて、新しく気づいたことがふたつある。ひとつは、整数係数の代数方程式を1つ与えられたとき、重解がなければ、解の置換群としての Galois 群を具体的に求めることができる、ということだ。以下で、その手順を説明する。

以下の手順では、単に置換群としての Galois 群が求まるだけでなく、\(\Q\) 上の最小分解体を単拡大として与えるための原始元 \(V\) で各解を表す式や、\(V\) が Galois 群の変換によってうつる先の共役元を \(V\) で表す式も具体的に得られる。\(V\) の値そのものはわかるわけではないが、\(V\) の \(\Q\) 上の最小多項式は具体的に求まる。