ここからは、実際に「ガロア理論入門ノート」の内容に立ち入って話を進めていく。
■ p.5 例(3)で「 の全ての元が生成元となり得る」とあるが、 は当然除かないといけない。
■ pp.6-7 定理3 p.6 の最下行で「の互換」がダブっている。なお、この証明では の偶奇がどこにも効いておらず、置換群に初めて触れる読者には一見 が偶数の場合にも矛盾が示されてしまったかのように見えるかもしれない。しかしこれは矛盾や証明の誤りではないので、この点を疑問に思った読者はどのようにして解決されるのか、まずは自分で考えてみるとよい。
■ p.6 の証明の所で、「」記号の位置がずれてやや見苦しくなってしまっている。
■ p.7 第2段落最後の方「偶数全体 」は当然「偶置換〜」が正しい。
■ p.7 中段例(2)で、長さ 3 の巡回置換には が欠けている。
■ p.9 命題7の下の例の(2)で、「 なので、 は と と からなる」とあるが、この「なので」はちょっと不用意な用法。加法群としての は だけど、 は と からできてるわけじゃない。つまり、 が と と からなっていることは、 であることと関連はしていても、それが直接の単一原因というわけではない。
■ 命題8は補題36でしか使ってないはずで、補題36は定理37でのみ使い、しかも、私の考えが正しければ実は定理37は補題36を使わずに示せるはずなので、結果的には命題8は不要と思われる。
■ p.10 準同型定理の最初の所で、「2つ群の」とあるのは「2つの群の」。
■ 命題10 (1) の証明では、 の逆元が に含まれることも示さないといけない(容易だが)。
■ p.12 定理13の証明で、(2) に進む前に、「このことと によって は の正規部分群になるので、 が定義できるようになる」ということに触れておくと親切かな。
とりあえず今日はここまで。
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