「星のパイロット」シリーズ

巻によって出来・不出来の差が極めて大きいシリーズです。

最初の「星のパイロット」は佳作と言ってよく、次の「彗星狩り」シリーズ は星雲賞も受賞した傑作でした。ここで終わっていればきれいに幕を降ろせたの ですが…。

次の「ハイ・フロンティア」が「一体どうしちゃったの、笹本先生!?」と いう大暴投。これまた、「中学生の思いつき」レベルのしょうもない敵役との、 現実感の乏しい戦いが主筋となり、最後の解決の仕方も非常に説得力の乏しい、 散漫な展開となってしまいました。

第4弾(そしておそらくラストエピソード)の「ブルー・プラネット」で大 部持ち直したので、汚点を残したまま終わりになってしまわなかった所は救いで す。

※「彗星狩り」で終わっておけばよい、と思った理由はも うひとつあります。このシリーズで、人類史に残る偉業を成し遂げたのが東洋人 で、最大の功労者であるミッションディレクターが黒人…ということで、近未来 の話とは言え、アメリカを舞台とした話では非常にめんどくさいことになるはず で。ある程度のリアリティーを持たせるなら、続編ではスペース・プランニング 社が業務を継続するのはかなり困難、という話にせざるを得ないはずです。そこ らへんの汚らしい現実を描かずに済ますには、このまま続編など書かずに終わり にしておくのが一番だよね、と思っていたのですが、結局そういう部分は全部ま るまる無視、という強硬手段に出たのは、嬉しくもあり、悲しくもあり、という 所でした。

[2009, 1/9] と思ってい たら、新しい大統領にオバマが就任することになりました。「アメリカ人が黒人 大統領を許容するはずがない」という思い込みが、貧しい誤ったものであったこ とを思い知らされました。正直な話、アメリカ国民にそこまでの柔軟性があると は思ってもみませんでした…。アメリカ国民の皆さんに不明をお詫びします。


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井汲 景太 <ikumikeita@home.jcom.ne.jp.NOSPAM.>(迷惑メールお断り)
最終更新日: 2009年1月9日