椎名作品Q&A 過去ログ

No. 698 Re^2: おキヌちゃんって、過去に罪を犯していないのか?

メゾピアノ : 04/01/31(Sat) 18:52

 米田隆雄様。一応反論いたします。

>  一巻でのおキヌの台詞では「また失敗……」「せっかく死んでいただけそうな人を
>みつけたのに……」となっています。
>  “また”というからには、何度も試みているのでしょう。
>  ただし、「また失敗」ということから、それが成功していないこともわかります。

「また失敗」というのは、ここのところは失敗続き、という意味にも受け取れますよ。「あ〜〜ッ、清原また三振ッ」というのは、過去に一回もヒットを打ったことがない、という意味でしょうか?
 300年間も試み続けて一回も殺せていない、というのは不自然だと思います。
「萌えよ剣!」の中で、おキヌは「う・ふ・ふ・ふ・ふ・ふ・ふ … 」とか薄笑いを浮かべながら、包丁をシャーコシャーコと研いでいました。横島は「やっぱ幽霊だけあって、このコもどっか普通じゃねーな…」と言っています。これは、過去におキヌが包丁で人を刺し殺したことがある、ということを示しているのではないでしょうか。

>  また、後のほうに「成仏もできないし、神様にもなれないし」という台詞もあります。
>ここでも「入れ替わりができない」とは発言していません。

 自分に不利なことまではあえて言わない、というのは普通のことです。それに「神様にもなれないし … 」と表記されています。この「 … 」の中に、「何人殺しても誰も身代わりになってくれないし」が隠されているのではないでしょうか。

>  横島を殺そうとした手段のボケッぷりから考えても、「殺そうとはしたが、一度も
> 成功してない」と考えるべきではないでしょうか。

 どこが「手段のボケッぷり」なのでしょうか? 落石から横島が助かったのはほんの偶然であり、紙一重で助かったに過ぎません。岩で頭を殴るにいたっては、助かったのは横島の妖怪並みの生命力のおかげであって、普通の人間なら脳漿を撒き散らして惨死です。

> >  というところから、ユリ子ちゃんも実はその犠牲になった一人なのでは? と考えたのですが、いかがでしょうか…。
>
>  地脈解放後は人を犠牲にする理由がありませんから、地脈解放前と人くくりにして「その犠牲」とするのは無理があると思います。
>  おキヌは霊ではありますが、他者の生命力を吸い取ったり、不幸におとしいれるなどの能力はないわけですし。

 まあ、ユリ子がおキヌの犠牲、というのは確かに根拠は薄いでしょう。これは撤回してもよろしいです。

>  ましてや、ドッペルゲンガーであるとするのは無理があるでしょう。
>  一般にドッペルゲンガーとは、目の前に自分と同じ姿の、もう一人の自分をみてしまう現象をさします。
>  この時のおキヌは実は「生霊」である(肉体は生きている)状態です。つまり、たまたま似ている
>人間が出会ったにすぎません(おキヌの方が生霊状態であったとというだけで)。

 これは違います、美神は、「仮死ってのは死んでるように見えるけどかすかに生きてる状態よ。彼女は完全に死んでる。私だって幽霊と生霊の区別くらいはつけられるもの」と言っています。
 氷漬けのおキヌは完全に死んでいたのであり、幽霊おキヌは生霊ではありません。死霊です。まあ、ユリ子と別人、ということは認めますが。

>  それにしても、原作は素直に読んで解釈すればいいのでは、と思ったりします。
>  確かにかかれていない部分ですから、いかようにでも想像できますが、雰囲気に
> そぐわないようなダークな解釈をする必要はないのでは、と思ったり。

「原作は素直に読んで解釈すればいい」その通りです。「私のために死んでっ!!」と叫びながら他人の頭に岩をガンガン叩き落とす幽霊を、“悪霊”と解釈せずして何と解釈しましょう。皆さんがあまりにも幽霊おキヌを天使か妖精のように「曲解」されるので、ひとこと言いたくなっただけです。


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