椎名作品Q&A 過去ログ

No. 558 Re: 未来は.......

杉山雅俊 : 03/11/22(Sat) 10:19

> 28巻の未来の美神の言葉
> 「未来は決まっているわけじゃないわ。現にあなたが先のことを知ってしまうなんて、私の過去とはもう違っています。だから、私とあなた、彼と横島君は、ある時点から全くの別人と言えるわ。」
>
> 36巻のラプラスの言葉
> 「100年前、私は二度の世界大戦を予告した。それを聞いた奴は自殺したよ。私の予知は、どうあがいても避けることの不可能な事実の予告なのだから。」
>
> この二つの言葉は矛盾してないでしょうか。未来の美神の言うとおり未来が決まっていないのであれば、ラプラスの言う「避けることの不可能な事実の予告」などというものはできないはずです。
> 果たして未来はきまっているのか、決まっていないのかどっちなんでしょう?

 二つの世界大戦は、巨大な歴史のうねりの中で、必然的に起きた出来事と言えます。つまりラプラスが予言した時点では、二つの世界大戦はもはやどうあがこうが避けることは不可能な「歴史の必然」だったのでしょう。
 たとえば、誰かが大量殺人を計画したとしましょう。「実行前」ならば、彼は思い止まることは可能ですし、第三者が引き止めることも可能です。つまり未来は変えられます。
 ところが「実行後」であれば、彼が警察に逮捕され、裁判で有罪になり死刑になるという道筋は、もはや定められた運命というべきであり、どんなにジタバタあがこうが、避けることはできません。
 またはこういうことです。大きな川があり、途中で二つに分かれています。右側の川に入ると、その先には滝があり、船は滝に落ちてしまいます。この川を下る船は、流れの中で右側に寄ったり左側に寄ったり、ということは自由にできますが、川幅を越えて移動することはできませんから、「変更可能なコース」には限界があります。川の二つに分かれたところにきて、右の川を選ぶか左の川を選ぶかはできます。しかし右の川を選んでしまった後は、もはや滝に落ちて船は破壊され全員死亡、という運命は、どうあがいても避けることはできません。

 こういうことではないでしょうか。


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