椎名作品Q&A 過去ログ

No. 1217 Re: 乙姫は浦島太郎に海岸でナンパされたの?

メゾピアノ : 04/09/26(Sun) 09:46

>  『絶海絶命!!』の乙姫は,浦島太郎と間違えている横島に、「海岸でガールハントをしていたあなたは、まんまと私を釣り上げたのよ。あんなに情熱的に口説いておきながら ── なぜ逃げたりしたの?」と言っています。
>  浦島太郎は、海岸で子供たちにイジめられている亀を助け、その亀に連れられて竜宮城に行き、そこで初めて乙姫と出会ったんではなかったんですか?

『絶海絶命!!』に登場する「浦島太郎」の物語は、一般に私達が知っている「浦島太郎」とはかなり設定が異なる物語のようです。
 1.私達が知っている浦島太郎は、3日遊んで帰ってきたら300年(一説には700年)たっていた、といわれています。だとすれば時間の流れる速さは、3万倍から4万倍も違うはずです。ところが美神は「物語から推定すると、時間の流れる速さは50倍から100倍」と言っています。(もっとも、これは異本が数々あり、3年竜宮にいたという話もあります)
 2.浦島太郎は、海岸で子供たちに苛められている亀を助け、その亀に連れられて竜宮間が乗れる生きた高速潜水艇でした。こんなものを子供たちが苛めることができるはずがありません。
 3.浦島太郎は、竜宮城で初めて乙姫に会ったはずです。この点は、Big lionさんのおっしゃる通りでしょう。

 まず、浦島太郎が竜宮城から戻ったら、300年たっていたとしましょう。時間の流れが50倍から100倍であるならば、浦島太郎の主観では3年〜6年も竜宮城にいて、あの下半身ヘビの地雷女と暮らしていたはずです。
 しかし、『絶海絶命』の設定は私達が知っている物語とは異なるのですから、地上での経過時間が300年とは限りません。まず亀が横島を「浦島太郎」と見間違えたことからして、当時の浦島太郎も17歳だったと推定しましょう。17歳の浦島太郎が玉手箱を開け、一気に年をとり白髪の老爺になってしまったことから考えると、少なくとも浦島太郎は地上時間で50年以上は竜宮城にいたはずです。一気に50歳老いたならば、67歳の老人になります。
 もっとも、浦島太郎が竜宮城にいた年月と、彼が玉手箱の煙を吸って年老いたのは直接には関係ないのかもしれません。あの煙は、吸った人間が若かろうがどうだろうが強制的に老化させてしまう、一種の毒ガスなのかも。しかしそうだとしても、浦島太郎が村に戻ったら誰も浦島太郎を知っている人がいなかったはずですから(そうでないと物語が成立しませんから)、やはり50年以上は年月が経過していたと考えていいでしょう。
 ということは、浦島太郎の主観では少なくとも半年から1年以上は竜宮城にいて、あの下半身ヘビの地雷女と暮らしていたはずです。

 この間、浦島太郎は拉致監禁されていたのでしょうか? いえ、案外と二人は愛し合っていたのではないでしょうか。
 まず、乙姫も竜神族だとしましょう。小竜姫の正体は巨大な竜ですが、可愛らしい女の子の姿になることができます。同様に乙姫も、その気になればちゃんと美女の姿になり、人間とセックスもできるのかも知れません。横島は、小竜姫が竜であることを知っていますが、全然気にせずに「神様と人間の禁断の恋に」などと言っています。浦島太郎が横島とよく似た性格(亀も「変わってませんな〜浦島殿」と言っている)であるならば、乙姫の正体がヘビ女だろうと全然気にしなかったでしょう。 … ヤレさえすれば。
 そもそも、二人の出会いからして私達が知っている物語とは異なるようです。おそらく、乙姫が亀に乗って人間界に遊びに来たのではないでしょうか。で、海岸を散歩していると、浦島太郎が ──
「へ〜イ、彼女ォ。見かけない顔だねェ。どこから来たのォ。面白い髪飾りだねェ。ちょっと松の木陰で語り合わないかい?」
 とか言ってナンパしたのでしょう。で、情熱的に口説き、キスとかを迫り、乙姫が誘うような微笑を浮かべながら逃げ、
「ウフフ … あたくしの家へおいでになります?」
「ウン、行く行く」
 となって亀に乗って竜宮城へ行き、そのまま捕まったということでは。

 執着心,独占欲が強い女というのは、男にとっては確かに可愛いことは可愛いわけで、浦島太郎と乙姫も仲がよかった可能性は高いです。乙姫に子供ができていれば、浦島太郎も地上に帰らなかったかもしれません。


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