元ネタ大作戦!!第3ステージ 過去ログ

No. 301 また会おうな…

根越栄汰 : 03/12/14(Sun) 01:47

平安時代編のラスト、横島に憑いていた高嶋がメフィストに言う言葉
「また会おうな」…この台詞、最近考え直してみると、ニーチェの永遠回帰を想起させる。(「ツァラトゥストラかく語りき」第四部、酔歌―一切を、新たに、そして永遠に、万物を鎖でつながった、糸で貫かれた、深い愛情に結ばれたものとして、おお、そのようなものとして、あなたがたはこの世を愛したのだ!
―あなたがた永遠の者よ、この世を永遠に、常に、愛しなさい!そして嘆きに対しても言うがいい。「終ってくれ、しかしまた戻ってきてくれ!」と。なぜなら、すべてのよろこびは―永遠を欲するからだ。【抜粋】)

メフィストとの出会いを至上の幸福とした高嶋にとってその人生は「今この時をもう一度」と願ったとも言え、輪廻転生を“回帰の円環”ととらえるなら現代の2人は再び同じ“回帰の円環”を歩んでいることになる…。
また、最終話、美神が長生きしたことは語られるのに、横島のその後について描かれるのは10年後未来から時間移動までというのも、椎名先生ならではの含みであるようにも思われなくない。
無理矢理なこじつけだが、椎名先生のバックボーンに「ツァラ〜」があることは別に扉絵で「2001年〜」をフィーチャーしたことを挙げなくても確かだろう。
人類全体への奉仕を歌うことで魂の救済を得た「ファウスト」よりは自然であるし、人間味がある。

ちなみに手塚治虫先生の未完の大作「ネオ・ファウスト」はよりこの二人の関係に近い……というよりはむしろこれこそが高嶋とメフィストのモデルとなっているといえるのではないか?
結果として未完に終った手塚先生の「ネオ・ファウスト」を椎名先生が最大限のリスペクトを以て完成させたのが一連(アシュタロス編へも含め)のストーリーといえるのではないだろうか。


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